半落ち / 横山秀夫

抜粋

自首。証拠充分。だが被疑者は頑なに何かを隠している。

実直な警察官が病苦の妻を扼殺。
捜査官、検察官、裁判官・・・・六人の男たちは
事件の“余白”に迫っていった。


「人間五十年」――――

請われて妻を殺した警察官は、死を覚悟していた。
全面的に容疑を認めているが、犯行後二日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。
男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。

感涙のミステリー。










































ずーと気になってて、予約の末に借りた一冊。
「予約の本が届いてます」の一言とともに現れた一冊の本は、
果たしてぼろぼろのよれよれだった。

なんでかって？
人気があっていろんな人が読んだからだよ。
で、なくて、、
明らかに誰か、風呂に落として頑張って乾かしたでしょ？
という状態。
カビ？カビが生えてるのか？と思わせる黒っぽいシミが点々と。。。
そして、ところどころ本が外れる。
最後の方の一ページは切れていた。太めの透明テープでベタッと貼り付けてある。

いったい誰の仕業なんだか、、、

しかし、この本をこんな状態にした人は、ココロが痛まないのだろうか。

この本を返された図書館の人は、何もいわなかったのだろうか。

てのを、この本を見るたびに思う。

もしかして、図書館の人が誤ってしでかしたことだからこのままなのかなぁーとかも思う。

古本屋に持っていったら、これ、廃棄ですね、みたいな状態なんだけど、
それを回し読みする図書館は、そんなにも財政困難なんだろうか。

まー、題名見て100円で売ってみようかなって思うかもしれないけど。



感想としては、、、、

非常に読みやすい。
字が大きいし、セリフとかが多いからすぐに読み進んでいける。
物語はそれぞれ捜査官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官、
の順番でおのおのが一人称となって事件をおっていく。

もーこのへんで勘弁しといてあげればいいのにって思う。
みんな二日間何してたんだって、責めたり脅したり、
真実とは違うことを言って欲しかったりと、保身と、正義感と、のせめぎ合い。

ラストは、わたしがまったく予想していなかったこともかさなり、ぐっときた。

父はなんとなく予想ついてたっていってたけど。
わたしはまったくわからなかった！



「扼殺」―やくさつ
という言葉を初めて知った。
この年にしては遅いけど、同意殺人？
ではなく、こういう言葉があるのだなーと思った。

いくら同意でも、請われても、人をどうにかしてしまえばそれは犯罪なんだなー、
と当たり前のことだけど、何か、強く訴えてるものがあった。


2005.01.12