春期限定いちごタルト事件 / 米澤穂信

抜粋

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが
互恵関係にある高校1年生。
きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。
それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。
名探偵面などして目立ちたくないのに、
なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、
果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか？　

新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。





















表紙もさることながら、本当にライトだ。
パッと見ライトノベルだけど、挿絵はありませんよー。

とってもかわゆらしいお話でした。
いわゆる青春ミステリという部類になるようで。
青春で、ミステリーが入っていますよっていうね。
そういわれてみれば、確かに青い春なんだよね。
この小鳩くんの小山内さんに対するどっちつかずの態度といい、
小山内さんの微妙な頼り加減とか。
匂わせるだけで、二人の関係についての言明を避けている
という流れがとてもラノベぽくていいと思います。

高校生が主人公ということで、人が死んだりするようなミステリではなく、
加納朋子さんのような日常ミステリが主で、そんなにシリアスにならない。
ただ、続刊があるようで、そこでシリーズが盛り上がってくれば
そんな展開もアリなのかなぁ～なんて思ったり。
しかし、テーマはおそらく“青春ミステリ”だから
そんな危なげな展開はやっぱり、なしの方向かな～。

とにかく面白かったから、続刊を借りた。
お次は夏期限定トロピカルパフェ事件。


2009.12.29