認知症一期一会 http://blog.goo.ne.jp/mizukiosamu/

毎朝8時30分
ケイタイのアラームが鳴ると、私はアリセプト5mgを飲み食卓を離れます。


結構ですと言えない

2006年11月20日 | クリスティーンさんの本から

《私たちには話す能力が
欠けていることを考慮することが重要だ。
そのために、
あなたは私たちをあまり尊重せず、
私たちの尊厳や個人的自由は制限されるようになる。
私は自分が話せなくなったら、
きっとすぐに乱暴な行動に出てしまうだろうと思う。
やりたくないことを人がやらせても、
「いえ、けっこうです」
という言葉が言えないのだから。
人が無理やりシャワーを浴びせたり、
服を着せたり、
嫌いな物を食べさせたりしようとすれば、
その人の手を振り払い、押しのけるしかない。》
とクリスティーンさんは書いておられます。
『私は私になっていく』(クリエイツかもがわ)P170



私は、アリセプトのお陰で
話すことはどうにかできます。

調子のいい時には言葉がつながっています。
答えも相応のようです。

先日、お葬式が続きました。
定年退職した方と出会います。
同じ付き合いがあるからです。

先の葬式の時、
私は「言いたくない病」でから、
出歩かないようにしているよ・・・と言って別れたようです。

次の葬式で又会いました。
そして・・・
「言いたくない病」のことを言いかけたら
「なんべんも言うなよ・・・この前聴いたわ・・・」
と嫌がりました。

私が、前の葬式で出会ったこと、
そして
「言いたくない病」のことを話したことを忘れていたのです。

こういう時はとてもいやな気持ちになり
もう俺はだめなんだ・・と思ってしまいます。

私は話せる・・・と自負していましたが
結構トンチンカンな相槌であったり・・・
見当はずれの答えを得意げに話しているのでしょうね。

私も、
アレをやってはいけません・・・
これをやってはいけません・・・と命令されることには
理由もなく・・・怒れるのです。

不可解な病や・・・と思いますが・・・
「この病」の特性でしょうね。

《その手を振り払い、押しのけるしかない》と
クリスティーンさんは・・・冷静に書かれていますが・・・
茶碗を投げたりされることもあるのでしょうかねえ?
(これは私の推測です。誤解の無いように)


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4 コメント

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そうですね・・・ (miki)
2006-11-20 15:43:47
理性で判断して行動してきた人が、認知力・判断力の低下で今までのように行動できなくなります。

周囲にとっては理にかなう行動が、本人には理不尽な行動に思われるときもあるでしょう。
また、本人の意に反するときもあるでしょう。

この病の大変なところ・悲しいところでしょう。

でも、でも、プラス面にも目を向けていきたいですね。
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穏やかに (水木)
2006-11-21 09:42:59
miki様へ

「この病」であることは他人には話したくないです。
話したところで・・・ごく初期であれば・・・
診断書でも見せなければ信じてくれません。
私は私が困難になるまでは回りの人には話さない・・・と決めています。

その方が私には精神がやすらいでいますし、パソコンをいじる時間もたくさんできます。
そのパソコンが意外な展開になったことも奇遇で
した。
今、miki様とこうしてコメントしあえることがとても癒しになります。
私にとっては二度とない至福の時間かもしれません。

なにせ・・・・69歳の半ばですからねえ。
なるべくおだやかな気持ちでと思っています。
返信する
変なたとえですが・・・ (miki)
2006-11-21 17:56:03
本当に不思議なご縁ですね。

たとえがおかしいかもしれませんが
「子を亡くした親」と「親を亡くした子」のような
関係なのかもしれません。

両親が認知症という、私にとっては人生の痛恨事に全身全霊で対処してきたのに、周囲は無理解。
それどころか、根強い偏見に苦しめられました。

「人間としてどっちが偉いんだ!」
私は怒りで張り裂けそうでした。
大切なのは、「いかに人間として生きていくか」であり、それをサポートしていくことなのに!

こうやって水木様をはじめ、多くの皆さんが本人の思いを公表してくださるようになり、私が母と接して感じてきた「忘れても人間」を裏付けてくださるので、本当にありがたく思います。

さらに「母も多くの人とつながっている」という認識ができたので、より母に即した声かけができるようになりました。
母に間に合ってよかった!

ゆっくりのんびり、ぽ~れぽ~れで、私もやっていけそうです。
返信する
じわじわと (水木)
2006-11-22 10:50:55
Miki様へ

偏見というか・・・勘違いというか・・・
とにかく正しい理解のあり方は今だしですね。

「この病」の特性ですね。

でも、
先のべルリン大会に学生さんが語られたとあります。
もちろん越智さん他の方も語られています。
「そんな時代でしょ!」と言うべきでしょう。

私は、そんな時代の変わり目に期待しています。

じわじわ・・・じわじわ・・・と
変わっていくと信じています。

ほんと・・・ぽーれぽーれ・・・ですね。

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