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京阪電気鉄道 600形電車

2011-06-01 18:44:30 | 電車図鑑・路面電車
老朽化した車両の置き換えと大津線系統の冷房化のために登場した車両である。
昭和59年~昭和63年にかけて2両編成×10本=20両が導入された。
書類上、全車新造扱いであるが、本形式の車体は昭和34年~昭和39年にかけて
旧型車両の機器を流用して車体を新造した260形電車、
及び300形電車のものを改造したものである。
編成の組み方、及び旧車体との番号対比は以下の通りである。

←坂本方面:600形(奇数)+600形(偶数)
・601+602←307+308 ・603+604←303+304 ・605+606←305+306 ・607+608←301+302
・609+610←277+278 ・611+612←275+276 ・613+614←279+274 ・615+616←269+270
・617+618←272+273 ・619+620←273+268

京阪で600形を名乗るのは本形式が3代目である。
車体の製造メーカーは260形をベールとするグループが日立製作所、
300形を種車をベースとするグループが川崎車輛である。
本形式への改造については錦織工場で施工した。

車体は既述の通り、260形、300形のものを改造したもので普通鋼鉄製である。
先頭部分は導入時に京阪本線に投入された新鋭車6000系のものを参考にした
ゆるい「く」の字型の流線型で非貫通、2枚窓となっている。
初期導入の601+602~607+608は平窓であるが、609+610号からは側面まで窓が
回り込んだパノラミックウィンドウとなり、視界が広がっている。
連結面側は種車の面影を残すものもあるが、両運転台車から改造された車両については
運転台部分を客室化したため、切妻化され、その面影は残っていない。
塗装は京阪の通勤形電車専用色である濃淡グリーンのツートンカラーである。
行き先表示は字幕式で正面向かって左側と側面に設置している。

車内はオールロングシートで内装の張り替えを実施し、6000系電車に近い
雰囲気にまとめられている。
ドアは片側2箇所で全て両引き戸である。
平成4年以降、一部の座席を撤去して車椅子スペースが設置された。

主制御装置は界磁位相制御で5km/h~70km/hの間で5km/h刻みで定速度機構を使用する
ことも可能である。
ブレーキは当初、発電・回生ブレーキ併用直通管付き空気自動ブレーキであったが、
700形登場後、発電・回生ブレーキ併用電気指令ブレーキへ改造された。
なお、発電ブレーキと回生ブレーキはマスコンで操作する。
台車はインダイレクトマウント式の空気バネ台車で駆動方式は中実軸平行カルダン
(TDカルダン)駆動方式で軸箱支持は緩衝ゴム式である。
冷房用の電源装置に京阪電鉄で初めてのSIVを搭載している。

登場後、京津線三条発着の準急や石山坂本線などの600V線で運用された。
平成5年より架線電圧の1500V化に備えて、各機器の複電圧化が行われた他、
冷房装置の交換(本線の6000系の冷房装置改良に伴い交換されたもの)、
客室、運転台機器、足回り、通過標識灯などを700系電車と共通化している。
平成9年10月12日より京津線の京都市営地下鉄東西線直通開始に伴い、
基本的に石山坂本線専用となった。
平成15年10月からはワンマン運転開始に伴い、自動放送装置取り付けなどの
改造を実施している。
また平成22年ごろよりシートモケットを緑から赤系に変更している。
なお、中之島線開通を期に本線系統で実施されている新塗装化については
大津線系統では実施していないが、新ロゴ貼り付けについては各車両で実施している。


○パノラミックウィンドウになった後期型。


○車内。赤いシートに変わったほか、肘掛に手すりが追加された。


○運転台。発電・回生ブレーキをマスコンで操作するためか、コントローラが大きい。


○種車の面影が残る連結部分。しかし全体にかなり丁寧に改造されたため、
 乗ってみるとあまり古さは感じない。


○広告電車。写真は比叡山・坂本ケーブルのもの。


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