水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
※禁無断転載!使用に際してはコメント欄にて
用途を申告してください。

西武鉄道 9000系電車

2010-02-18 21:31:03 | 電車図鑑・私鉄電車(関東)
車体の老朽化した101系電車の置き換えのため、その台車と機器を流用して、新2000系電車並の
車体と、当時の新鋭車両だった6000系電車並の車内を持ち合わせた電車として登場したものである。
平成5年~10年にかけて10両編成×8本=80両が製造された。
西武鉄道では戦後から長らく自社の西武所沢工場で電車の製造をしていたが、本形式の
最終編成9108編成が最後の新製車になった。

車体は新2000系と同じの設計の普通鋼鉄製で、塗装はイエロー一色にドアはステンレス製の
無塗装、ヘッドライトの下にステンレスの装飾を設置している。
正面は貫通型で左右の運転台・車掌台の窓周りと種別表示・行き先表示・列車番号表示(不使用)の
周りを黒く塗装している。
また、新2000系と区別をつけるため貫通扉下部の靴ヅリ部と同左右の手すりを
黒く塗装している。
この他の同形式との違いは種別・行き先表示を当初からローマ字併記としたことと、
側面の行き先表示が種別と行き先で別れていること、先頭車の連結器に電気連結器が
無いこと等である。
正面下部にはスカートが設置されているが、9101・9102編成の2本は新2000系と同じもの
なので電気連結器の分、切り欠けが大きい。

車内はオールロングシートで車内のカラースキームは新2000系に準じた白の化粧板に
オレンジ系のモケットであるが、当初より1人分の区分が刺繍されているものを採用した。
また、各ドアの上にはドアチャイムとLEDスクロール式の旅客案内装置を設置している。
2号車と9号車の連結部付近には車椅子スペースが設置されている。

主制御装置は101系のものを流用した抵抗制御(電動カム軸式)でブレーキも発電ブレーキ
併用電磁直通ブレーキである。
ただし、101系時代の様に西武秩父線には乗り入れないため、勾配用の抑速ブレーキは
撤去された。
台車も流用品のダイレクトマウント式空気バネ台車でブレーキ周りを更新している。
パンタグラフは菱型であるが、ラストの9108編成のみ当初よりシングルアーム式である。

登場時、最初に先頭車2両を含めた4両編成で登場し、狭山線で暫定的に運行して
その後、中間車のみ6両を組み込んで10両編成にして本線系統に配置する形態を採った。
最初の4本は西武新宿線で運行を開始し、残りは初めから西武池袋線配置である。
平成10年に新宿線の4本が転属して全車が池袋線配置となった。

平成15年~19年にかけて元の機器の老朽化と耐用年数の問題から、足回りの機器を中心に
更新改造を実施した。
主な内容はVVVFインバータ制御(IGBT式)化、ブレーキの回生ブレーキ対応電磁直通式
空気ブレーキ化、パンタグラフのシングルアーム化(一部除く)、
VVVF車である事を見分けやすくし、省エネ車両である事をアピールするため、
正面貫通扉に円形のヘッドマークステッカーを貼り付け、正面向かって左側の窓の下に
車番を表記、座席のバケット化などである。
これらは極力、他の形式に合わせた共通部品を搭載している。

記述の通り、現在は西武池袋線に全車両配置されており、ほぼ優等列車(快速急行~準急)
専用で運行されている。
これは本形式が10両編成で椎名町~桜台間の各駅が8両編成対応のためである。
本形式の普通列車運用は保谷発、若しくは小手指発の下り始発列車に充当される程度である。
また、西武球場でのイベント開催時には狭山線に乗り入れることもあるほか、
西武新宿線では10両固定編成(編成の間に運転室が入らない編成)が少ないため、
時折、貸し出されることもある。


○車内。ドアの上の黒い細長いのが旅客案内装置。
 少し座席が傷んでいて見にくいが、背もたれに着席定員を示す
 刺繍がなされている。


○VVVFインバータ制御化された現在の姿。更新前の姿はタイトル写真を参照。


○9102編成。とある大学の広告電車になっている。
 上の9106編成よりスカートの連結器周りの切り欠けが広い。


○9107編成。ごく稀にステッカーをはがしているときもある。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。