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東武鉄道 300系/350系電車

2009-05-18 20:17:56 | 電車図鑑・私鉄電車(関東)
浅草から日光方面への座席指定の優等列車である快速急行の接客設備向上のため、
伊勢崎線の急行(→現・特急)「りょうもう」で使用していた1800系電車(※)を
改造の上、平成3年に登場した形式である。
同形式6連4本を6連2本と4連3本に組み替えて、6連を300系、4連を350系とした。
350系のうち第2編成(352-1~-4)は全車が1800系の中間車からの改造で、
他の編成と窓割や台車が異なる。

車体は1800系時代の姿を残しつつも、ヘッドライトや正面上部標識灯の角型化、
正面ヘッドマークの電動字幕化、塗装はスペーシアに準じたアイボリーに
エンジとオレンジの帯が入るものに変更された。

車内は種車の設備を生かした回転クロスシートで、リクライニング機能は無いが、
フットレストは設置されている。
テーブルは座席背部に小型の折畳みテーブルが設置されている。
トイレは300系の1・6号車、350系の1・4号車に設置され、その向いにはソフトドリンクの
自動販売機がある。

主制御装置は8000系と同じバーニア付き抵抗制御で、ブレーキは通常の
空気ブレーキのほか、日光線や鬼怒川線の勾配に対応するため、
抑速ブレーキ、発電ブレーキを追設している。
台車は300系と350系の第2編成以外は揺れ枕式空気バネ台車、350系第2編成は
ダイレクトマウント式空気バネ台車である。
これは先述のとおり、1800系時代に「りょうもう」を6連化するために追加された
中間車をベースにしたための違いである。

運用は、300系が浅草~南栗橋間の特急「きりふり」283号で、
350系が浅草~東武宇都宮間の特急「しもつけ」で定期列車として運用されるほか、
「スノーパル」(300系)、尾瀬夜行(300系)、「ゆのさと」(350系)などの
臨時列車に使用される。
なお、種別は平成18年の種別整理により、座席指定の急行・快速急行列車が全て
特急に格上げになったが、本形式は接客サービスの面でスペーシアに劣るため、
料金は急行時代のまま据え置かれている。


300系電車。この日は修学旅行用列車として運行された。

(※)・・・東武鉄道1800系電車
伊勢崎線急行に使用していた5310系電車(戦前登場の東武最初の特急用電車。
戦後、格下げ)の老朽化のため、昭和44年に登場した車両である。
車体は鋼鉄製で全体をレッドとし、窓の下と上にアイボリーの帯が入る当時の
東武鉄道の車両としては鮮烈なカラーリングで沿線の注目を集めた。
編成は当初は4連であったが、後に6連に増強された。

車内は回転クロスシートで、先頭車に手洗いの設備を設置している。
クーラーはデラックスロマンスカー1720系と同等のキノコ型の形状をしている。
足回りは同時期に製造された8000系に準じたバーニア付き抵抗制御で、
ブレーキも電磁直通式空気ブレーキのみで電気的なブレーキは有していない。
これは伊勢崎線の線形が平坦であるため勾配用のブレーキが不要なためである。
台車も8000系に準じた揺れ枕式空気バネ台車である。

昭和52年に輸送力増強のため、中間車2両を増備したが、この中間車は台車が
ダイレクトマウント式空気バネ台車となり、以降に増備された編成もこれに準ずる。

昭和62年に増備された第9編成は、登場時から正面ライトを角型化し、座席形状の変更、
カード式電話の設置、クーラーカバーの角型化などのマイナーチェンジを行っている。
座席の改良については一部編成で、電話設置は全編成で後に改造されている。

長く「りょうもう」号で使用され、沿線で親しまれたが、200系電車の登場で運用を
離脱するようになり、「りょうもう」からは平成10年で引退した。
その後、一部がデッキやトイレ、カード式電話の撤去、ヘッドマーク部分のLED化
(行き先表示器として使用)、塗装の通勤車化(8000系と同じアイボリーにブルーの
帯)などの改造の上で館林地区のローカル運用向けに転用された。
しかし、これも長くは続かず、平成18年に同地区の列車のワンマン化の進行で引退し、翌年までに全車が廃車解体されている。

第9編成は、定期運用こそ失っているが、まだ登場から10年程度と新しかったため、
臨時列車用として現在も残されている。


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1 コメント

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1800系について (tamuchan)
2008-10-30 18:15:36
私は現在春日部市に住んでいます。1800系の赤い車両は北春日部の車両基地にいました。臨時列車で運用された時、ぜひ乗ってみたいものです。
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