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JR西日本 221系電車

2010-11-09 20:57:24 | 電車図鑑・JR新系列一般用車両
他の私鉄との競合の激しい京阪神地区で運行されている「新快速」向けに登場した
車両である。
JR西日本が独自に設計した最初の新系列車両でもある。
平成元年~平成3年にかけて474両が製造された。
配置は網干総合車両所、京都総合車両所、奈良電車区である。
製造メーカーは近畿車輛、川崎重工、日立製作所、JR西日本鷹取工場と
後藤工場である。
編成の組み方と構成形式は以下の通り。

8連(←大垣方面/神戸・播州赤穂方面→)
・クモハ221+モハ221+サハ221+モハ220+サハ220+モハ220+サハ220+クハ221

6連(←大垣・JR難波方面/神戸・播州赤穂・京都・和歌山・加茂方面→)
・クモハ221+モハ221+サハ221+モハ220+サハ220+クハ221

4連(←大垣・近江今津方面/神戸・播州赤穂・園部方面→・・・網干・京都所属車)
・クモハ221+モハ221+サハ221+クハ221

4連(←京都・和歌山方面/天王寺・JR難波方面→・・・奈良所属車)
・クモハ220+サハ220+モハ220+クハ220

2連(←京都・和歌山方面/天王寺・JR難波方面→)
・クモハ220+クハ220

・構成形式
クモハ221形:モハ221形とユニットを組む制御電動車。パンタと主制御器搭載。

モハ221形:クモハ221形とユニットを組む中間電動車。空気圧縮機と冷房などの
 サービス電源を供給する静止型インバータ(SIV)を搭載。

サハ221形:中間付随車。機器の搭載はないが常にモハ221形の下り側に連結される。

クハ221形:制御車。車端部にトイレがある。

クモハ220形:クハ220形、もしくはサハ220形とペアを組む制御電動車。パンタ、
 主制御器、SIVを搭載。

サハ220形:クモハ220形、もしくはモハ220形とペアを組む付随車。空気圧縮機搭載。

モハ220形:クハ220形、もしくはサハ220形とペアを組む中間電動車。搭載機器は
 クモハ220形に準ずる。

クハ220形:クモハ220形、もしくはモハ220形とペアを組む制御車。
 トイレと空気圧縮機を搭載する。

車体は普通鋼鉄製で正面、側面共に普通列車用としては大きな窓を採用した
特徴的なものとなっている。
正面は貫通型で正面中央に貫通扉があるが非常用である。デザインでは上半分が
傾斜した流線型となっており、大型の曲面窓の採用もあって前方の視野を
大きく広げている。
塗装はホワイトに関西急電色のベージュとブラウン、コーポレートカラーのブルーの
帯が入るものである。
行き先表示は側面のみ、種別表示は正面と側面にあり、行き先表示はLED、
種別表示は字幕式である。

車内はオールクロスシートでドア付近と車端部が固定式、他が転換式クロスシート
である。
当初、ドア付近にしか吊革がなかったが、後にクロスシート部分にも設置される
ようになった。
トイレはクハ220形、クハ221形にあり、便器は和式、汚物処理は循環式である。
ドアは乗客の増加に合わせて3ドアで全て両引き戸である。
この3ドア・クロスシートという車内構成は近畿日本鉄道の5200系電車が最初に
導入したもので、本形式の設計の際、近畿車輛から提案を受け、
これを参考にしている。
旅客案内装置はLEDスクロール式のものが各車車端部壁面に設置されている。
この案内装置は停車駅案内のほか、時計、号車表示も表示できるものである。

主制御装置は界磁添加励磁制御でブレーキは抑速ブレーキ付き回生ブレーキ併用
電気指令ブレーキで走行する区間の関係上、耐雪ブレーキの機能も有する。
台車は軸箱支持を円錐積層ゴム式とした空気バネ式ボルスタレス台車で高速走行時の
安定性を強化するため、ヨーダンパーを装備した。
モーターの駆動方式は中空軸平行カルダン方式でJR西日本の電車としては
最初にして最後の採用となった。
本形式では電動車同士でユニットを組むものと電動車と付随車でユニットを組むものの
2種類あるが、どちらでも走行性能は同じように設定されている。
なお、これらの機器は国鉄末期に製造された205系や213系に準ずるものである。
運転台は横軸式ツインレバー型でJR西日本の電車で初採用となった。

登場時は網干総合車両所と奈良電車区に配置され、前者は長浜・米原~網干・播州赤穂
方面への新快速と快速に、後者は大和路快速に投入された。
これらの最初のグループは足回りを改造の上で湖西線で160km/h走行試験に用いられ、
681系「サンダーバード」の開発に際し、貴重なデータを提供した。
3年という短期間に集中して増備され、JR西日本を代表する車両の一つとなった。
また、本形式の投入による新快速の速度向上(110km/h→120km/h)化や停車駅の見直し
などで並行私鉄の特急も大都市間ノンストップのダイヤ構成から、主要駅に停車する
ようになるなど、周囲への影響も少なくなかった。
平成9年より223系が投入され始めると次第に新快速から快速運用にシフトするように
なったほか、一部が奈良に移籍して阪和線やきのくに線、和歌山線にも
入るようになった。
平成12年のダイヤ改正で新快速を最高速度130km/hに向上し、223系で統一されたため、
本形式の運用は無くなり、快速が主運用となる。
平成20年には網干から京都に移籍して山陰本線や湖西線でも運用されるように
なっている。


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