歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

旅の終わりはいつだってありきたりで…

2018-10-25 | 旅行
長い時間をかけたわりには成果を生み出すことがなかった。自分自身の不甲斐なさが招いた結果だったし、何よりも真剣に取り組まなかったとしか言いようがない。なにもかも、年齢のせいにして逃げ抜けるのが一番いい。そして、僕は旅に出た。前から誘われていた従兄弟が暮らす金沢へ車を向けたんだ。照れ臭くて真っ直ぐに金沢へ行かずに白馬へ寄った。圏央道から中央道へ走り込み長野で降りた。諏訪湖で親しくまないけれど僕を慕ってくれた彼女の顔を見ようと思いを巡らした。しかしやめた。未練は未練でしかなくもう一度復活の空気を誘い込むほどの気力はなかった。
そう言えば今まで無我夢中で惚れたおんなはいたんだろうか?いや、おんなに限らずのめり込むものなどあったんだろうか…そんな考えが繰り返し頭の中を駆け巡り運転を誤りそうになった。昨夜はよく眠れなかったことを思い出してPAで少し眠った。黄色いワンピースを着た彼女が出て来てぼくの手を胸元にたぐり寄せ涙で溢れた目で僕を見つめていた。そこで、
目が覚めた。
夢と現実の区別がつかない夢。
もう、懲り懲りなんだと思わず声に出してしまった。秋の日差しは晩秋の匂いを運んできていたし悪夢へと誘いこんでいる。
もはや、そんな安っぽい手管には乗らない。
ぼくは思いの外強くアクセルを踏み込んだ。


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