歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

17歳のころの僕は・・・いったい誰だったんだろう。

2013-04-08 | 日記
先週のことだった。

仕事場で仕事をしていて、なんだか急に集中できなくなってしまった。
なにもかも放り出して、外に出て地下鉄に乗った。
行先も決めてはいなかった。
ただ誰とも話もしたくなかっただけだ。

で、なぜか新宿三丁目へ行った。
地上に出ると目の前にはシネコン。
その時、しばらく映画も見てないなぁ~と思い当った。
上映プログラムを見るとどれも夕方の打ち合わせには間に合わない。
バルトなんたらと言うシネコンまで歩き、上映プログラムを見渡す。
ここでもダメ・・・時間を潰すには辛すぎる時間だ。
本も持ってなかった・・・。
新宿通りを三丁目の方へ歩いた。
地下の映画館があった。
「桐島、部活やめるってよ」16時30分。
ちょうどよかった。終わりは18時30分。ぴったりだ。

ドトールでコーヒーを飲み時間を待った。


で、この映画。久しぶりに丁寧に作られた映画だった。
登場人物もきめ細かく描かれているし、それぞれの心のひだひだまでが
迫ってきた。
高校のスターが突然バレー部をやめる・・・との噂が流れる。
そして、その仲間たちがそれぞれの彼との関係の中で戸惑い、疑い、嫉妬する。
17歳なんて、どうしようもない年代で、なにも確立されていないなかで、
友達関係だけで生きているようなものだ。
そして、いまでもそうなんだけれど、この関係だけに集中できたわけだ。
稚拙な脳みそだったけれど、それはそれで必死になって・・・
「あいつは何を考えているんだ・・・」
その疑問の答えだけを追っかけていた。
たとえ、答が出ているにもかかわらず、自分が欲しい答が聴けないとイラついた。
そして、何度も何度も、同じ質問を投げかけるんだ。友達に・・・・

いま思い返すとぞっとする。

まあ、そんなことがすごいリアルに描かれている。
「桐島」は最後までスクリーンに登場しないし、答は風に舞っているし、
そのことだけでもすごいリアルで・・・感心した。

桐島はもう面倒くさくて仕方なかったんだろう・・・
みんなの期待通りの、しぐさや、話や、態度や、行動をすることが
嫌ンなっちゃったんだ・・・そんな感じが伝わってきた。

他人の要求された人間になって絶対なれないし、
それを、求める奴は友達でもなんでもないんだよ。

みんなに「彼女」と呼ばれてる子も親友だと思ってる奴も・・・・
そんなことに気付かされて戸惑っている。
それに、どう対応していいのかわからない。

多分、人間関係において初めての挫折。
この感覚がとても大切なんだよね。
ココからの生きるてことが・・・・。
歳を食うたびに、その挫折感を切実な形で自らの身に降りかかってくるわけだし。

これぐらいの歳で感じておければ、ラッキーでしょう。

17歳。ぼくはあの頃、アメリカングラフィティという映画のように
夜中の町を彷徨っていたよ。

ほんとに、僕のことを誰も知らないところで生きていたかった。

しかし、いまそれが得られたわけではない。
むしろ、あの頃に逆戻りしている気さえしているよ。