歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

夜の観覧車

2012-10-26 | 日記
先日、年甲斐もなくこの乗り物に乗った。

乗り方を知らなかった。

止まってはくれないのだ。考えればそうだ。

ゆっくりと、人の気持ちをじらすように前へ進んでいく。

そして、視界が広がっていく。気持ちが動きに合わせるかのように高ぶっるのが分かった。


無理に同乗させた彼女も、広がっていく夜の街並みに視線を向け始めた。

スカイツリーがやけにでかい。

東京は広大な街。まるで中東の国みたいに思えた。

やがて、頂上らしき地点に到達した。そんな瞬間があった。


なぜか、ああ、終わったんだったよね。そんな気持ちが心をいっぱいにしてしまった。

「失ったもの」と「得たもの」を比べるのは体に毒だ。

確かなものなどなにもない。

ぐるぐる回り続けるしかないのだ。飽きるまで。


しかし、観覧車は夜には乗らぬ方が良い。
身も心も不健全に揺れてしまう。

気が付けば、この乗り物に乗ったのは初めてだった。