歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

夏になる前、そうもう二年もまえの事が…

2018-11-15 | 旅行
僕がここにやってきたのには理由があるようでない。二年前に患い、医者が気がつかない後遺症を抱えていたからだった。
どうもヤル気が起こらないのだ。
まあ、誰にでもある。しかし、病気だと気がついてしまった。それは全てのことに興味がなくなってしまったこと。欲望がなくなってしまったかのようだ。食欲、性欲、金銭欲、名誉欲、物欲…。
食べるにも何を食べるかなど考えるのがイヤだし、お腹が空かなくても食べるし空いても食べる。女に至ってはまるで抱きしめたい欲求はなくなってしまった。ましてやどんな人間なのかと知りたいと思わない。全てに煩わしさが先行してしまう。無気力に近い状態が数週間続いた。自ら死を選ぶことですら面倒くさい。生きる価値が見当たらないし、そんな自分からも逃げ出さなくなってしまった。とは言って何かを見つけたいがために旅に出た訳でもないのだ。
意志がなくなってしまったようだ。
家にいればいい。そう考えた。でも、旅に出れば何処かへ行かなくてはならない。そう思って家を出ただけなんだ。
放浪なんだろう。誰かに出会えることを期待してるわけでもないのに何をしているのか?どうしようもない人間だと思いたいような気がしているだけなのかもしれない。

そんな事思い巡らしていると部屋の電話が、鳴った。
「お客様。夕食の準備ができましたので、食堂までいらして下さい。」
「ありがとう。すぐに行きます。」
僕は簡単に身支度を整え、部屋を出た。
長袖のティシャツでは少しだけ寒い。
そう感じたけれど上着を着るのが面倒だったし食堂に向かった。

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