雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

藤井棋聖 王位も獲得

2020-08-20 19:05:34 | 日々これ好日

        『 藤井棋聖 王位も獲得 』

     藤井聡太棋聖 王位戦を四連勝
     王位獲得で二冠となり 八段昇格も決定した
     これにより 二冠と八段の最年少記録を更新した
     それにしても 凄い棋士が現れたものだ
     まったく素人の私などが見ても 
     わくわくするような指し手が 次々繰り出される
     さらに 師匠の人柄がすばらしく インタビューに引き込まれる
     天才の開花には この師匠の存在が大きいように思われてならない

                        ☆☆☆
     

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いつの世も宮仕えは

2020-08-20 08:03:26 | 麗しの枕草子物語

       麗しの枕草子物語

           いつの世も宮仕えは

正月も十日を過ぎて、除目(ヂモク・春は地方官の、秋は宮中の官吏の定例の異動があった)の頃となりますと、任官を待つ家々では、悲喜こもごもの姿が見受けられます。

今年こそは受領の任が与えられるという期待が大きい家などでは、数日前から、それはそれは大騒ぎでございます。
かつてこの家に仕えたことのある人々は、主人が閑職にあったためやむを得ず他家へ移っている者や、田舎に戻っている者たちなど大勢が集まって参ります。
任官祈願の牛車が出掛けるとなれば、我も我もと随行する者が実にたくさん集まってきます。

いよいよ受領が決定される日ともなりますと、集まってくる人の数はさらに増えて、出されるご馳走を食い散らかし、酒を飲みまくり、まるでお祭のような騒ぎです。
やがて夜も更けて、騒ぎ疲れた頃になっても、任官を伝える使者が訪れる気配がありません。さすがに、飲み食いに励んでいた人たちも様子のただならぬのを感じてか、「どうも、おかしいな」などと、ささやき合い始めます。
外の様子などを耳を澄ませて窺っていますと、先払いの声などが聞こえてきて、上達部(カンダチメ・上級貴族)たちが次々と内裏から退出なさっています。
情報を掴むために内裏近くに行かせていた下男の姿を見つけても、事の結果を訊ねることもできません。

そのようなことになっていることも知らずに訪ねてきた人が、
「殿は、どちらの国守になられましたか」などと訊ねますと、
「前の某国守ですよ」と、答えているのです。
それが、このよう時の慣わしだそうですよ。

やがて、詰めかけていた大勢の人たちは、沈みきった雰囲気に堪えかねて、要領の良い人から順番に、一人去り、二人去り、家の中はさらに静かになっていきます。
しかし、永年の恩顧のある人や郎党たちは逃げ出すこともできず、「来年国守の交替があるのは、あそこと、あそこと・・・」などと、指を折っているのです。

「すまじきものは宮仕え」とか申すそうですが、なんとも、はい・・・。


            (第二十二段  すさまじきもの・・、より)


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