「小さな小さなスミレよ」
庭の隅に咲く
小さな小さなスミレよ
あなたももう少し大きな花だったら
花の苗としてお店で売られ
植木鉢にきちんと植えられ
大事に大事に育てられたかもしれない
あなたがもし山に咲く花なら
小さくてかわいい山野草と呼ばれ
たくさんの人が探しに来て
たくさんの人に見られたかもしれない
あなたにもちゃんと名前があるだろうに
ただの雑草と呼ばれ
他の草たちと一緒に
抜かれてしまうのかもしれない
だから私が見つけたよ
近づいてよくよく見たら
とてもとてもかわいいスミレ
そんなことも気にせずに
小さな小さなスミレは
ただそこで咲いている
(晶子)
庭の草とりをしていて、小さな小さな花に気づいた。
抜かずにそっとしておいた。
山へ行けば色々な小さな花が咲いている。
山野草の名前を夢中で覚えながらも、そんな気持ちもうかんできた。
確かに、タテヤマリンドウやショウジョウバカマはかわいい。
見つけたら感激した。
そこへ行かないと見られないというレア感もあるのだろう。
名前を覚えたこともうれしかった。
とりあえずよく見ておこう。
庭の隅の小さな小さなスミレに、あんたも結構かわいいよと声をかけておいた。
この子は山の子。
タチツボスミレ。
今日も素敵な一日になりますように♪
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