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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

求む、絶品ヤキソバパン。

2006年02月07日 | 映画(番外編:映画と食べ物・飲み物)
やっと『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)を観ました。
流行っているものは観ておかねばと思う一方、
世間がこぞって出かけるものには興味をそがれて、
昨夜まで観る機会を失していました。

映画の内容については今さらなのでさておき、
私が大注目してしまったのは「ヤキソバパン」です。

森山未來演じる高校時代の朔太郎が
屋上で運動場を見下ろしながら食べるパン。
大写しになるわけではないので、
ロールパンに挟まった具が何なのか、
最初はよく見えませんでした。
でも、コロッケじゃない、ソーセージでもない。
うぬ?それはヤキソバパンではないのか?

のちに朔太郎が深夜ラジオに投稿するさい、
使用したペンネームが「ヤキソバパン」。
やっぱりヤキソバパンやったんかいな。

なんでヤキソバパンがこんなに気になるのかと言いますと、
私の唯一の食わず嫌いが「ヤキソバパン」なのです。
ゲテモノ以外は何でも食べる、
苦手なものはほとんどない私ですが、
ヤキソバパンだけは絶対にダメ。

ヤキソバもパンも大好きなだけに、
そのふたつを組み合わせて
別個に食べるよりもおいしくなるとは思えないのです。
食べたいと思ったことはないし、
見るだけでオエッとなりそうなので、
ヤキソバパンのヤキソバの具には
ソバ以外に何が入っているのかも知りません。

と、書いているうちに、
俄然ヤキソバパンに興味が湧いてきました。
私が好きなヤキソバの具は豚肉とキャベツのみ、
そこに半熟の目玉焼きがのっていれば言うことなしですが、
巷のヤキソバパンの具って何ですか。
あれって、別個に食べるよりおいしいと思って食べるものですか。
それとも、たいしておいしいとはみんな思っちゃいないけど
炭水化物+炭水化物の組み合わせで
手っ取り早くお腹を膨らますことができるから食べるものですか。

ものすごーくおいしいパンと
ものすごーくおいしいヤキソバを組み合わせたら、
ものすごーくおいしいヤキソバパンが生まれるのでしょうか。
パンとヤキソバのマリアージュってアリですか!?

もし世の中に唸るほどおいしいヤキソバパンが存在するなら、
ぜひとも食べてみたいなぁと思うんですけど。

セカチューのおかげで、一度くらいはヤキソバパン、
食べてみたほうがいいかもと思いはじめました。

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『バス174』

2006年02月04日 | 映画(は行)
『バス174』(原題:Ônibus 174)
監督:ジョゼ・パヂーリャ,フェリッピ・ラセルダ

もう1本、ドキュメンタリーを。
これを観たらブラジルには行く気になれません。

2000年、リオデジャネイロ。
白昼、都会のど真ん中で起きたバスジャック事件。
テレビで生中継されたその様子に
ブラジル全土が釘付けになったと言われています。

犯人は21歳の青年サンドロ・ド・ナシメント。
バス内で強盗を試みたものの、警察が駆けつけそうだと知った彼は
ほかの乗客を巻き込んで籠城。
本作はそのときの生々しい映像と、生き残った人質たち、SWATの隊員、
サンドロを知る人びとへのインタビューで構成されます。

事件の背景は複雑で、引いてしまう話ばかり。
サンドロは10歳のときに目の前で母を強盗に殺害され、
それ以降、盗みをくり返して生計を立てます。

14歳のとき、路上生活者=ストリートチャイルドに。
カンデラリア教会の前に寝場所を確保し、
数十名の仲間たちと過ごす日々。
温かいスープを運んでくれるソーシャルワーカーがいる一方、
彼らが寝るのを見計らって襲撃に来る集団も。

ある夜、警官が彼らに向かって銃を乱射し、
何人ものストリートチルドレンが死に追いやられます。
悪名高き「カンデラリアの大虐殺」。
そのとき現場にいて、辛くも生き残ったのがサンドロでした。

何をしても罰せられることのない警官たち。
驚きだったのは、ブラジルでは「警官」とは
職に就けない人びとがなるものだということ。
訓練はまったく受けておらず、銃をぶっ放すことしか考えていない。

そんな警官がバスジャックに対応できるわけもなく、
誰もが何の規制も受けずにバスに近寄り放題。
そのおかげで、メディアがバスに密着して
一部始終を生中継することができたというのは皮肉。

『シティ・オブ・ゴッド』(2002)で脳天を直撃されたような衝撃を覚えましたが、
本作も貧困層のさらに下でうごめく、
「見えない子どもたち」の達観したような表情に
こちらはなんともいえない気分になります。
賄賂がまかりとおる刑務所では、金のない者は刑期を終えても釈放されず、
3人部屋に10人以上が押し込まれているという事実にも。

本作に限らず、映画でしばしば目にする貧困にあえぐ中南米の社会。
でもボールを蹴ってるんですよ、必ず。
彼らの心がサッカーを強くするのか、
サッカーがあるから彼らは強くいられるのか。
私の長年の疑問です。

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『FASTER ファスター』

2006年02月01日 | 映画(は行)
『FASTER ファスター』(原題:Faster)
監督:マーク・ニール
出演:ヴァレンティーノ・ロッシ,マックス・ビアッジ,ケニー・ロバーツ,バリー・シーン他

二輪ロードレースの全盛期だった1980年代後半~1990年代初め、
毎年3月になると鈴鹿へ出かけていました。
125cc、250cc、500ccクラスのバイクが
各国の20近くものサーキットを転戦して
チャンピオンを競う世界選手権。
そのうちの鈴鹿でおこなわれる1戦を観るためです。

のちに世界選手権のうち、最高峰の500ccクラスを
MotoGPと呼ぶようになりました。
本作はそのMotoGPの舞台裏に迫ったドキュメンタリー。

まずは現在のスーパースター、ヴァレンティーノ・ロッシ。
125cc、250cc、500ccとステップアップし、
いずれのクラスでも参戦2年目にはチャンピオン。
20代半ばでありながら、MotoGPはすでに5連覇。
向かうところ敵なしの状態で、
ついにはフェラーリからもテスト走行に誘われる人気者。
陽気でやんちゃな彼は、表彰台でのパフォーマンスも有名で、
腰にエプロンを巻いたソムリエもどきの恰好で、
チームスタッフにシャンパンを注いでまわったことも。
(残念ながらその映像は本作には登場しません。)

そんな彼と犬猿の仲と噂される、同じくイタリア人のマックス・ビアッジ。
メディアでは深くは暴かれることのなかった噂ですが、
本作ではロッシの本音も明らかに。
「ビアッジのロッシを肘で押し出し事件」や「殴り合い事件」は凄すぎて笑えます。

80~90年代の二輪ファンなら当時のロッシVSビアッジ版、
ケヴィン・シュワンツとウェイン・レイニーの確執も気になるところ。
後に事故で下半身不随となったレイニーは、
その運命を憎まず、丸ごと受け入れているように見えました。
だからこそ、シュワンツがレイニーから投げかけられたという
「走ることを楽しめなくなったらやめろ」という言葉を重く感じます。

ケニー・ロバーツ、バリー・シーン、ミック・ドゥーハン、
ギャリー・マッコイ、ジョン・ホプキンスなど、
新旧ライダーたちとともに登場するのは彼らを支える家族、
チームスタッフの面々、そして神の域に達しているであろうコスタ医師。
走る気のないライダーをサーキットに還すのは無理、
でも、その気になれば奇跡は起こる。

2003年、鈴鹿で加藤大治郎が事故死してから、
日本でのレース開催地は茂木に変わってしまいましたが、
あの頃の鈴鹿を思い出させてくれます。
またサーキットを訪れたくなりました。

ロッシの親父の顔が最高。
「僕は息子の大ファンさ!」

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