夜な夜なシネマ

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『ビースト・ストーカー/証人』

2012年05月15日 | 映画(は行)
『ビースト・ストーカー/証人』(原題:証人)
監督:ダンテ・ラム
出演:ニコラス・ツェー,ニック・チョン,チャン・ジンチュー,ミャオ・プゥ,リウ・カイチー他

現在公開中の2008年の香港作品
シネマート心斎橋3本ハシゴの3本目。そしてこれも泣きました。

刑事のトンは、同僚でベテラン刑事の新爺とともに、
重犯罪者の張日東とその一味を追跡、激しいカーチェイスの末に追い詰める。
逃走しようとする車に銃弾を撃ち込み、身柄を確保。

ところが、車のトランクを開けてみると、そこには横たわる少女が。
トンの撃ち込んだ銃弾は、犯人らの身動きを取れなくしただけではなく、
イーという少女の命をも奪っていたのだ。

イーは張日東の事件と担当する女性検事、アンの長女。
娘を亡くしたアンだったが、引き続きこの事件を担当すると言う。
数カ月後、意識不明で入院中だった張日東が目を覚ます。

一方のトンは今も立ち直れずにいた。
アンのもう一人の娘で、イーの妹に当たるリンは、
何も知らずにトンのことを「お兄ちゃん」と慕う。

ある日、幼稚園の行事に参加していたリンとアン。
一瞬の隙を突いて、リンが何者かにさらわれる。
行事を見学していたトンが追うが、間に合わない。

やがてアンのもとへ犯罪組織から電話がかかってくる。
リンを無事に返してほしければ、裁判の証拠を隠滅しろというのだ。
強盗現場から採取された血液さえなければ、張日東は証拠不十分で無罪だから。

犯罪組織は、元ボクシング選手のホンにリンの拉致監禁を依頼。
ホンは病に伏した妻にかかる高額な治療費のために、
いまは凄腕の殺し屋として犯罪に手を染めていた。

リンのことは絶対に守ってみせる。
そう誓ったトンは、新爺の助けを借り、ホンを追いはじめるのだが……。

タイトルどおり、追うほうも追われるほうも獣のよう。
トンを演じるニコラス・ツェーは、線の細そうな綺麗な顔立ちなのに、
男臭いのなんのって。傷だらけの姿がまた泣かせます。

トン、アン、ホン。
一見たまたま事件に関わることになってしまった3人なのに、
実は……のラストに呆然、胸が締めつけられました。
『クロッシング』(2009)を思い出しましたが、
『クロッシング』より衝撃度と哀愁度はずっと上。

同監督と同主演コンビの『密告・者』(2010)の高評価を受けて、このほど公開された本作。
『密告・者』は未見なので、必ず観ようと思っていますが、
こんなに切ないもんをまた見せられるんかと思うと、観る前から泣けてくる。

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