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『チャンス! メイドの逆襲』

2020年05月18日 | 映画(た行)
『チャンス! メイドの逆襲』(原題:Chance)
監督:アブナー・ベナイム
出演:ローサ・ロレンゾ,アイーダ・モラレス,フランシスコ・ガットルノ,イザベラ・サント・ドミンゴ,
   マリア・アレハンドラ・パラシオス,マリア・クリスティーナ・パラシオス他
 
これもAmazonプライムビデオ見放題作品の中にあります。
たいして面白くはないんだろうなぁという予感に包まれつつ、
90分というほどよい長さに惹かれて鑑賞。
 
長さに惹かれただけでしたが、この国の映画は観た記憶がありません。
いずせにせよ珍しい。2009年のパナマ/コロンビア作品です。
 
コロンビア人のトーニャとパキーテが家政婦として雇われているのは、
次期パナマ大統領選に立候補した実業家フェルナンドの豪邸。
フェルナンド自身は貧しい家庭の出身ながら、
大金持ちの家庭に生まれ育った妻グロリアと出会って逆玉に乗った。
 
夫妻にはマリビとマリテという双子の高校生の娘と、
ダニエルという小学生の息子、計3人の子どもがいるが、
フェルナンドは仕事に忙しく、グロリアは自分のお手入れに忙しく、
子どもたちはトーニャとパキーテが育てたようなもの。
しかし可愛いのはダニエルだけで、
双子の娘の家政婦の扱い方はまるでグロリアと同じ。
 
夫婦と娘そろって贅沢三昧しているくせに、家政婦への給料は7週間も未払い。
仕送りをしなければ、故郷の家族が路頭に迷ってしまうと、
意を決したパキーテは夫妻に直ちに給料を払ってほしいと訴える。
これは前借りのお願いではなく、未払い分のことなのだと。
 
それでもなんだかんだと理由をつけて払おうとしない夫妻。
払わないまま一家でマイアミ旅行に発とうとするのを見て、
トーニャとパキーテは行動を開始。
家族を銃で脅して家に閉じ込めると、金を在り処を教えろと詰め寄るのだが……。
 
ないんですよね、お金なんてどこにも。
フェルナンドは金を使い込み、薄々それを感じていたグロリアもスルー。
自分の家は金持ちだと思い込んでいる娘たちは勝手し放題。
縛られて閉じ込められ、撃たれそうになってようやく判明する家族の事情。
 
縛られた手足がすぐ解けそうなのはご愛嬌。
トーニャのこともパキーテのことも大好きなダニエルだけは縛られることもなく、
これはただのゲームだからと聞かされてのんびりしています。
ダニエルを除けばとにかく腹立たしい家族だから、
トーニャとパキーテのことを思いっきり応援してしまう。
 
10年も働かせてやっているんだ、感謝しろ、家族だろ。
フェルナンドはそう言うけれど、何が家族なものか。
トーニャとパキーテのフルネームすら知らなければ、家族構成も知りません。
パナマでは家政婦の扱いってこんな具合なのかなぁと思うとつらい。
 
最終的にはいい話、というところまでは行きません。
フェルナンドは最後まで救いようのない男。
でも、パキーテと家政婦のふりをさせられたグロリアのシーンは面白く、
化粧はげはげで心情を吐露するグロリアにはちょっぴり同情も。
 
特別推すことはないですが、悪くもなし。
珍しい国の作品を観られたので良しとします。

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