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『羊飼いと風船』

2021年02月15日 | 映画(は行)
『羊飼いと風船』(原題:気球)
監督:ペマ・ツェテン
出演:ソナム・ワンモ,ジンバ,ヤンシクツォ他
 
シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの2本目。
 
職場の先生が公開前の本作をご覧になり、チラシにコメントを寄せていらっしゃいました。
山田洋次西川美和といった錚々たる顔ぶれがコメントを寄せていて、
「先生、こんな中に入っているなんて凄いじゃないですか!」と思わず申し上げました(笑)。
で、こりゃ観に行かなあかんなと思って。
 
チベットの大草原に暮らす家族。
タルギェとドルカル夫婦には3人の息子がいる。
人口が増えすぎた中国では一人っ子政策が採られ、
これ以上子どもを持てば罰せられる。
そもそも牧畜で立てている生計には限りがあり、経済的にかなり苦しい日々。
妻のドルカルはさらに子どもを産むことなど考えていない。
 
ところがある日、タルギェの父親が急逝。
高僧に父親はいつ転生するかを尋ねたところ、まもなくだとの答え。
父親に転生してほしいタルギェは、ドルカルにもう1人産むように言い……。
 
こうして書いてみただけでも、普通の日本人には考えられないことじゃないですか。
亡くなった身内の転生を信じ、それがいつかを坊さんに聞く。
もうじきだよと言われたら、嫁に「産め」って、信じられない。
嫁はアンタの父親を産むための道具じゃないんだから。親父は出て来んて。
 
過激な内容に思えますけれど、大草原のこと、ゆるゆると進みます。
穏やかに進みすぎて睡魔に襲われる。
しかしほかにもいろいろと衝撃的。
 
種羊の貸し借りをするとき、車はないからバイクで出向く。
荷台に羊を括り付けて走る姿も嘘みたい。
子羊が産まれると、それを売りに行きます。
値段の交渉はお互いの袖に手を入れておこなう。
「こんなもんでどう?」「高いね。これぐらいにしろ」と、
袖の中でおそらく指を折っているのでしょう。
 
なかなかに興味を惹かれるシーンはあったけど、
それ以上にのどかすぎて、眠気を吹き飛ばせません。
名だたる監督たちが高く評価していても、凡人には無理だ(笑)。

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