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〈番外編〉喪の色・追記

2009年05月21日 | 映画(番外編:映画と読み物)
以前、「喪の色」というタイトルで書いたのは、
つい数年前のことだと思っていたのですが、なんと6年半前、こちらでした。
それなのに今さら追記もないんですけど。
3年前と思えば5年経っている、5年前と思えば10年経っている。
年を取ると、そんな気がしませんか。

で、今さらながら追記するのは、
昨日、それっぽい記事に行き当たったからです。

明治22(1889)年に創刊された『風俗画報』。
大正5(1916)年まで、27年間に渡って発行された雑誌です。
たまたま仕事で目を通す機会があり、
慣れないうちは明治時代の文章に目がラリラリしていましたが、
だんだんおもしろくなってきました。

発刊当初は日本の風俗に関する記事がほとんどでしたが、
日露戦争が終わる頃から海外の記事が増えはじめ、
日本人の目には不思議に映る外国の風俗が、
「奇俗」というタイトルで掲載されるようになりました。

昨日読んだのは明治41(1908)年の通巻第386号。
その中の「朝鮮の端午」という記事に、
端午の節句は日本では男児の節句だが、朝鮮では女児の節句で、
この日だけは老いも若きも美も醜も、
雪のごとき白の衣服を着て出かけるのだ書かれていました。
そのついでに、朝鮮では純白の衣服が纏われることが多く、
葬儀のさいも白を着用するという話も。

さらなる説明がホンマかいなと言いたくなるものなのですが、
朝鮮では、身内が亡くなったとき、服忌が8日間と定められているので、
いろいろな色を着ているうちに白以外の着物がなくなったからだと。
う~ん、マユツバものだぁ。

この時代の雑誌って、『風俗画報』に関わらず、
差別的なことが平気で書かれていて唖然とすることもしょっちゅう。
どこやらの国の人は野蛮だとか不潔だとか。
逆に、外国人が日本の風俗を非難する記事も掲載されているので、
その点は、『風俗画報』は公平だというべきなのでしょうか。

昭和初期の婦人雑誌もなかなか楽しいですけどね。
街頭時評などでは、顔がしっかり写っている女性を評して、
ブスだの、センスがないだの、口調だけはバカ丁寧に言いたい放題。

時代の流れを感じられる当時の雑誌、おもしろいです。

映画とは何の関係もない話でごめんなさい。

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