夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『現金に体を張れ』

2003年08月24日 | 映画(か行)
『現金に体を張れ』(原題:The Killing)
監督:スタンリー・キューブリック
出演:スターリング・ヘイドン,ジェイ・C・フリッペン,
   コリーン・グレイ,ビンセント・エドワーズ他

「観損ねていた名作を観る」第2弾。
1956年の作品。

5年の服役生活を終えたジョニー。
彼はさっそく新しい計画を進めていた。
競馬場の売上金200万ドルをそっくりいただこうというのだ。

ジョニーは信頼のおける人間に声をかけはじめる。
彼の父親代わりで出資者のマービン、地元警官のランディ、
競馬場の馬券係のジョージとバーテンダーのマイク。
この5人で綿密な計画が練られる。

まずは強奪当日に警備員の注意を引くため、
乱闘騒ぎを起こすように元ボクサーに依頼。
さらには当日の人気レースで本命馬を狙撃するため、
ライフルの名手を雇う。

計画はとどこおりなく進められるはずだった。
しかし、馬券係のジョージは、溺愛する妻シェリーに日頃の稼ぎの悪さを罵られたさいに、
つい計画を洩らしてしまう。

悪女シェリーは自分の愛人パルに計画をばらす。
5人が強奪した200万ドルをパルが待ち伏せしてそっくりいただき、
シェリーとともに逃げるつもりだ。

決行の日、予定どおりに事は進み、
あとはアパートの部屋で盗んだ金を山分けするだけとなるのだが……。

それぞれの行動が分刻みで詳細に語られます。
ナレーションとモノクロの映像がドキュメンタリー風で、
事件をその場で見ているよう。
少しずつ狂ってゆく計画。
気持ちの揺れ動きをお節介に描写したりしなくても
ひとりひとりの表情を見ていればよぉくわかる。

この無駄のなさに脱帽。
キューブリックってすごいなぁとあらためて思う逸品。
競馬好きもご覧あれ。

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