呉に来たら、ほぼ必ず立ち寄るのが、
てつのくじら館です。
実はわりと潜水艦好きなので、
自然と足が向かいます。
この日も、15時過ぎくらいまで
予定が空いていて
どうしたものかと思っていましたが、
そりゃもう、
てつのくじらと大和ミュージアム行くしかないよね、平日だし。
そんなわけで、平日の開館早々にくじらさんのお腹の中に向かいました。
まぁ、他にお客さんにないだろうな~と思いきや、
いましたね、お客さん。
いるもんだな~と思いつつ、発令所に向かい、さっさと潜望鏡を覗いて、
合わせた先はもちろん・・・・
洋上の女王、いせ様です
いやぁ~相変わらずお美しい
にやにや萌え萌えしていると、
発令所にいらっしゃるボランティアスタッフの、
元潜水艦乗りのおじさんが、話しかけてくれました。
「ここの操縦席、座っていいよ」
「わ~い、ありがとうございます」
「写真とってあげるよ」
「ありがとうございま~す」
「ハンドル、回していいよ」
「は~い」
「取舵はどうして取舵っていうか知ってる?」
「ふふふ~知ってますよ~。取舵の『とり』は酉で西の方を意味するので、左です」
「おっ、よく知ってるね~(笑)」
こんな調子で、色々話していると、
寡黙なもう一人の、さらに年配な感じのおじさんが、
(さてはこの娘、相当好きだな…)
と思ったのかどうか知らないが、
引退した潜水艦「ゆきしお」のパンフレットを渡してくれた。
おおおおお~
もう引退している潜水艦なので、
絶対に頂く機会がないパンフレットを頂き、大喜びしていると、
今まで話していたおじさんが、
「この人は、潜水艦の元水雷だよ」
と言い残して、バトンタッチとばかりに去っていきました。
この元水雷のおじさん、
いろんなスイッチの説明をしてくれて、
それはそれは丁寧にいろんなお話をしてくれました。
聞けばおじさん、なんと…
米海軍ガトー級潜水艦「ミンゴ」を譲られて
戦後初の自衛艦旗を掲げた潜水艦「くろしお」の乗員だったというお方でした
曰く、
「ココからココまで(「くろしお」から「あさしお型」まで)に乗ったよ。
新しい型(葉巻型ってことだと思う)には乗ったことがないんだよね」
と。
笑いながら仰ってましたが、
なんか潜水艦の歴史そのものを目の当たりにしたような気持ちになりました・・・。
その時、ちょうど御夫婦とおぼしきひと組の男女が入って来られました。
発令所には、
どんな海自素人さんでも楽しめる物…そう、潜望鏡というものがあるので、
ボランティアスタッフさんは、必ず潜望鏡を覗くことを勧めてくれます(笑)
ここまで、ノリノリでボランティアのおじさんと話していて、
かなり御機嫌だった私は、
「今覗くと、いせが見えますよ~」
と言ったところ、覗いていた御主人が、
「おお~~~~いせだやっぱかっこいいなぁ~」
と仰った後に、
「…ひゅうがが、震災の時来てくれたんだよな…」
とぼそっと仰いました。
そうなんですよね。
いせの就役のわずか数日後に東日本大震災が起こったので、
稼働全艦出航せよ、とはいえ、
さすがに、いせは出航を見合わせることとなり、
ひゅうがは被災地に向かったのです。
それにしても、ひゅうがが来てくれた、と感慨深そうに仰ったことを見ると、
東北の方なのでしょう。
何といいますか…
自衛隊に感謝されている被災者の方を目の当たりにして、
胸が熱くなる思いでした。
それ以後も、御主人の仰ることを聞いていると、
相当自衛隊が好きで、かつ、
非常に深い尊敬の念を抱いておいでだということが分かりました。
その後も、色々とお話をさせて頂き、
おススメの観光スポットなどをお伝えしました。
やっぱり、
本当に好きな人同士というのは、
わかるモノなんですよね(笑)
見ず知らずのもの同士で、熱く語り合って、盛り上がって…
そこで、あまり興味をお持ちでなかった奥様も、
「すごく興味が出てきました!」
と仰ってくださったのがとってもうれしかったです
その後、
売店側では珍しく制服の試着コーナーがあり(なぜか夏服)
そこには、若くてさわやかなイケメン海士くんが
しかも、よく見ると
ドルフィンマークをつけているではないの
「潜水艦乗りさんなんですか」
「はいそうです。今日は、人材募集の一環でここいます」
あ~、なるほどね。
でも、こんな平日に果たしてそれはどうなんだろう・・・
と思わないでもないけど、
今日だけでなく、たぶん一週間くらいはやっているんだろうね。
すると、
受付の所にいた二佐(だったと思う)の方も、
こちらにお越しになりました。
その方も胸にドルフィンマークが光っています
そして、私のブーツ(に某航空自衛隊基地のワッペンを貼っていたの)を見て、
「ん?これは???」
と質問されました。
「あ~、これは、知人の元空自さんから頂いたワッペンなんです
かわいいので自分で縫いつけました」
「へ~」
それから、3人でいろいろお話して盛り上がったんですが、
そりゃあもう楽しかったです(笑)
もちろん、我が交流サロンの話なんかもさせて頂きましたら…
二佐さん「え海自人気あるの???ウソでしょ~ないない~」
私「いやいやいやありますってほんとに」
二佐さん「それは、きっとあれでしょ亭主元気で留守がいい系でしょ?」
私「海自さんって、必ず皆さんそういう事仰いますが、そんなことないです
本当に女性から人気はありますからっ」
二佐さん「でも、女性から人気あっても、海自に入りたいっていう意味での
人気はないはず」
私「…うっ…ま~それは否定しませんけど~…でもでもですね
陸自さんとか空自さんには、海自ファンの陸自さんとか、
海自ファンの空自さんとかいますよ」
二佐さん「あ~、それなら分かる。私がそうだから」
私「そうなんですか」
二佐「自分が空自ファンだから。やっぱり戦闘機がカッコイイし(キッパリ)」
私「えぇぇぇぇいやっ艦です絶対艦がカッコイイですって」
などど、本当にどうでもいい話をしていたんですけどね(笑)
だけど、だから、私のブーツのワッペンに反応なさったのですね。
階級から察するに、どう考えても潜水艦なら艦長クラスの方のはずですが…
私が知る限り、潜水艦乗りの方って、おもしろい人が多いので、
妙に話が合うというか弾みますね。
私「…ところで、私この前、潜水艦乗りの訓練をしているDVDを見たんですけど、
すっごく大変ですね」
というと
二人「え???全然大変じゃないですよ???」
と、けろっとした答え。
私「えええっだって、あの浸水して水がしゃーーーって出てるとこを、
みんなで棒を突っ込んでるところとか、めっちゃ大変そうでしたよ」
二佐さん「あ~あれ?あれは全然大変じゃない。なぁ?」(と海士クンに振る)
海士くん「あ~、はい。あれは全然大変じゃないです。
すっごく楽しいです」
私「た、楽しい????」
海士くん「はい。気持ちいいですし楽しいんですよ~あれ」
…なんというか、潜水艦乗りの適性の片鱗を垣間見たような気がしたよ。
あれを楽しい、と思えるのか…そうなのか…
そして、二佐さんは、
「あとは彼がいろいろ教えてくれるから」
と言い残して去って行かれました。
で、ずっと海士くんが立っている横にこんなものあって、ずっと気になってたんだよね。
私「なんでも教えてくれるの???」
海士くん「はい、機密以外のことならなんでも答えます」
というわけで、潜水艦内でのいろんな生活の様子をあれこれ聞きました。
私「やっぱり、ミサイルの隙間に寝てるの?」
海士くん「そうですよ~。あの隙間にはみんながいろんなものを落とすので、
ミサイルがない時は、いろんなものが発掘されて楽しいんです
ボールペンとか、大量に落ちてますね」
私「え?そんなに落ちてるの?」
海士くん「落ちてますよ。あとは文庫本とかも…」
などと、まるで特定秘密保護法に抵触するのではないかと危惧されるような、
なんとも貴重な潜水艦内での生活の様子を語ってくれました。
気がつけば、
てつのくじら館に2時間以上いたな。
もう何度も行ったけど、今回が一番楽しかったわ~
いい加減この海士くんを解放してあげないとね、と思い、
お礼を言って立ち去ろうとすると
「あ、これどうぞ」
と、てつのくじら館オリジナル絵葉書を3つもくれました。
一袋に6枚入り×3つ。
あとは、そうりゅう型のと、P-3Cのと、電灯艦飾のやつで、
それぞれ萌えキャラが描かれています。
そして、
もちろんこれは、誰にもあげません(笑)
うふ
いや~しかし、楽しかった
お土産まで頂いちゃって大満足でした
ちなみに、もちろん、
てつのくじら館に来ることが目的なのではなく、
翌日に控えた、
今年の自衛隊イベントを締めくくるにふさわしい行事に参加させて頂くために、
呉まで来たわけです。
それは…
今年1月にも行った、
護衛艦いせによる、戦艦伊勢の洋上慰霊式です。
今年最後のレポート記事は、
もちろんこの記事で締めくくらせて頂きます。
では、また明日