日本の選挙は「自署式投票」が採用されている。
だから、中には書き間違いを始め、判断が難しい投票も含まれる。
これに対して公職選挙法は、投票用紙の記述内容から、投票者がどの候補に投票しようとしたかの意思が明白ならば有効とする。
(問題)
たとえば、山田太郎という候補者がいたとする。
これを次のように書いた場合は有効か無効か。
①山田たろう
②山田太郎殿
③山田大郎
④山田
⑤「山田太郎」
⑥山田太郎(ヤマダタロウ)
⑦山田太郎に1票入れます
⑧山田太郎、絶対当選
⑨山★田★太★郎
正解は
①~③はすべて有効。
②の敬称は有効、したがって、「さん」もOK
③は漢字ミスで、本人の意思は明白なので有効。
④は、ほかに山田という候補がいなければ有効。もし他に山田という候補がもう一人いれば2等分する(案分する)。
⑤~⑨は他事記載ということですべて無効。
振り仮名を振ってもだめなんですね。
それくらいいいじゃないかと思うんですが、基準を緩めると収拾がつかなくなるんでしょうね。振り仮名が一文字間違っている場合はどうするとか・・・・。
一方、白票を投じた場合はどうなるのか。
もちろん無効票として取り扱われる。
しかし、わざわざ投票所に出かけていき「白票」を投じる有権者の気持ちはいかなるものか。
きっと、そこにはさまざまな思いが込められているに違いない。
推察するに、「支持したい候補者がいなかったから白票を投じた」という人が多いのではないか。
そうすると、白票を単に「無効票」として扱うことはあまりに乱暴なのではないか。
私は、白票もまた立派な意思表示だとずっと教え続けてきた。
無効票とは別に、いわゆる「白票」の統計データもきちんと分けて発表すべきではないか。
入れたい候補がいない場合、「積極的白票」行動を呼びかければ、もう少し投票所に足を運ぶ人が増えるかもしれない。
ちなみに、衆議院総選挙と同時おこなわれる最高裁判所裁判官に対する国民審査は、「罷免を可とする」裁判官には×をつけ、
何も書かない票だけが「信任」となる。
積極的に信任したい人に○印などをつけると、その投票用紙丸ごと無効になる。
毎回、×の数は全体の10%前後で、個々の裁判官の間の差はあまり大きくない。
これから察するに、投票行動には次のパターンがあると考えられる。
①一人ひとり個別にきちんと調べて×をつける。
②最高裁の判断は気に入らないから、全員×をつける。
③よくわからないから「ま、いっか」と信任する。
④よくわからないから、棄権という意味で何も書かずに投票する。
一番多いのは、どれか。
たぶん③または④ではないか。
このあたりをきちんと調べた分析は見たことがない。
出口調査で、そういう統計を取ったらおもしろいだろうに。
今日の総選挙の結果はほぼ予想がつく。
その結果、10年後の日本はどうなっているのか。
そうしたことに思いをはせながら、1票を投じたい。
(余談)
今日、投票所で投票用紙に書こうとしたら、候補者の名前の漢字にルビがふってあった。
そのまま、ルビも付けて書いたら本当に無効になるのだろうか。
どなたか知っている方がおられたら教えてください。
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