40年以上も教員生活をやってきて改めて思う。一流の先生ってどんな先生だろう?
はっきりしているのは三流の先生。
間違ったことを教える。おまけに間違いを指摘されると怒り出す。うちの娘は、小学校のとき担任の先生が明らかに間違ったことを教えたので、そのことを指摘したら、それ以降担任から邪険に扱われ、おまけにいじめられたという。ここまでくれば3流どころではない。10流くらいだろう。
過ちを過ちと認めないことを過ちという(論語)。誤りを認めることは本人に実力と徳が備わっていないとできない。かつて習った大学の先生が講義中に「折口信夫(しのぶ)」を「のぶお」と読み、あとで学生から指摘されてすぐお詫びをし訂正した。立派な先生であった。ちなみに折口信夫は天王寺高校の卒業生であり、石川県のわが母校(高校)の校歌の作詞者でもあった。何かしらの因縁を感じた。
では二流の先生とは?
答は「わかりやすく教えてくれる先生」。
えっ! それって一流でしょ、と思う人も多いはず。いやいや、そのレベルはまだ2流ですぞ。わかりやすく教えて、testでいい成績が取れるようにしてくれる先生はまだまだ未熟。
じゃ、どんな先生が一流なのか?
私が思うに、「その科目が好きになって、もっと知りたいと思わせてくれる先生」。その分野に興味・関心を持つように仕向けてくれる先生。それが一流の条件。いくらテストで満点をとれるようにしてくれても、「面白い!」と思わせることができなければ先生としては落第というべきである。
これは教師の方によほどの力量がないとできない。ものの本に書いてないこと、すなわち自分独自の「言葉」を持っていることが必要である。それと、先生自身が学問を楽しんでいること。
昨今は二流の先生がいい先生と思われているが、二流はまだ一流ではない。いやはや、教師の道は果てしない。