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南英世の 「くろねこ日記」

稲盛哲学

稲盛和夫氏(京セラ名誉会長)の書かれた『生き方』(サンマーク出版)を読んだ。
かつてソクラテスは自分の魂を磨けと言ったが、稲盛氏の著書にも同じことが書いてあってそれで読む気になった。
経営者として一番大切なことは、人間として正しいかどうかを判断基準とすることだと説く。

嘘をついてはいけない
人に迷惑をかけてはいけない
正直であれ
欲張ってはならない
自分のことばかりを考えてはならない

等々の言葉が並ぶ中で、特に印象に残ったのは、働くということはたんに生きる糧を得ることだけではなく、心を磨き、人間性を創っていくという効果があるという言葉である。日々の労働すなわち「修行」であり、そこには心を磨き、人格を練るという精神的な意義が多いに含まれているという。そして、困難があれば、成長させてくれる機会を与えてくれてありがとうと感謝する。そういう気持ちをもつことが大切だという。

心が洗われる思いがする。

これから日本が目指すべきは経済大国ではなく、利他を旨とする「徳大国」であるともいう。
なるほど、いくらお金をもっていても尊敬されることはない。
逆に、マザーテレサのように自分のことより他人のために働く人は、その精神の高さゆえに尊敬される。
「日本人は信用できる」という徳を身につければ、世界中から尊敬されるようになるだろう。
戦後の教育の中で、そうした徳を教える機会は、家庭でも学校でもあまりに少なかったかもしれない。


そういえば、こんな川柳があった。
「かの国に 本当に孔子はいたのかな」
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