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南英世の 「くろねこ日記」

マンション投資

これまでの長い人生の中で、本格的な資産運用ができるようになったのは、子育てが終わり、退職金をもらった後である。それまでは、経済的にゆとりがなかった。

いままで株式投資をはじめ、投資信託、外貨預金、金の延べ棒など様々な投資を試みた。その結果得た結論は「不動産投資が一番」ということであった。投資信託は手数料が高いうえ元本割れすることも多い。外貨預金は為替レートの予測が難しい。金は利子がつかない。

2007年に堺市の戸建てを売却し、いまの梅田のタワーマンションに移り住んだ。「本格的な高齢社会を迎えて、郊外から大阪市内に人口移動が起きる可能性が大きい」と考えたからだ。

また、アベノミクスが始まった2012年に、「金融緩和によって再びバブルが起きる可能性がある」と考え、初めて賃貸用の小さな中古マンションを購入した。私のマンション投資の指南役になったのは竹中正治龍谷大学教授の言葉であった。

「不動産投資は個人投資家には難し過ぎる対象であり、実態は、儲けている個人は結局のところ全体の3%程度に落ち着くだろう。しかし私の経験を語れば、都心の中古マンション投資は、株式投資で儲けるよりずっと簡単だと感じている。個人投資家としてマンション投資で成功する必要条件は以下の点だ(竹中正治著「資産運用のセオリー」)。

1、中古マンションを徹底的に安く買うこと。目標にする条件が出ない限り手を出さない。新築マンションは新築プレミアムが平均2割ぐらいはのっているので絶対に買ってはいけない。

2、空室リスクを最小限にするために都心の駅近(徒歩10分以内)の物件のみ投資対象にする。利回りが高いからと言ってロケーションの悪い物件を買ってはいけない。

3、ワンルーム・マンションよりファミリータイプ・マンションを優先する。ワンルームは住んで買う人がいないので利回り計算する投資家にしか売れない。一方、ファミリータイプは住むために買う人がいるので高く売れるチャンスがある。」


築浅で、大手の信頼できる建築会社が手掛けたものであること、さらに駅から徒歩1~5分以内の、自分でも住みたくなるような好立地のマンションに限定した。2013年に初めて買ったマンション投資は思いのほかうまくいった。諸経費を引いた最終的な利回りは4パーセントくらいになった。



それで味をしめて2年前にもう一軒購入した。懇意にしている不動産屋さんに、「ここのマンションの物件が売りに出たら連絡してほしい」と依頼しておいたら、ちょうど希望する物件が出たのだ。本当にいい物件は、市場に出る前に取引されてしまうことをこの時知った。所有する2軒とも環状線の内側にあり駅から1~5分以内にある。だから、空き室になる心配はほとんどない。もちろん、借金はしていない。



不動産を取得してみて分かったことだが、不動産価格は株式市場と違ってほとんど動かない。だから、精神衛生上はなはだよろしい。そのうえ、毎月安定した家賃収入が入る。これは年金暮らしの身にとってすごくありがたい。幸いにして、いま住んでいるマンションを含め、両物件とも購入価格より多少は値上がりしており、「ヨミ」はほぼ的中したといってよい。
不動産の値上がりは、たとえそれがわずかであったとしても、株式投資とは一桁も二けたも違う。株式投資では失敗ばかりしてきたが、今や資産運用の主戦場はマンション投資であり、資産運用全体としてはまあまあうまくいっている。

マンションのオーナーになったことで、人生にゆとりが生まれた。あとは、南海大地震が来ないことを願うばかりである。万が一地震で倒壊したら…、その時はきれいさっぱりあきらめる。どのような資産運用をしたとしても、リスクゼロはあり得ない。
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