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南英世の 「くろねこ日記」

欲に目がくらむ


 資本主義経済に生きているものなら、だれでもやってみたいと思うのが株式投資である。私は20歳のときに株式投資を始めた。だから、かれこれ47年になる。ただし、結果はいうのも恥ずかしいくらいの負け越しである。株式投資をやっている人のうち、勝ちこしている人は1割程度であると言われるから、当然の結果かもしれない。それでも株式投資を続けてきたのは、仕事柄、現実経済との接点を持ちたかったためでもある。

そんな折、今年の3月、ネットで盛んに宣伝している文句につられて、東大卒を看板にしている投資アドバイザーの会員になった。会費30万円を払えば有力(裏?)情報を流してくれるという。ところがこれがとんでもないインチキまがいの商売だったようだ。

投資顧問のアドバイスに従って、普段は絶対に手を出さない仕手戦に参戦し、一時は100万円くらいの含み益が出た。しかし、結果的には逃げ遅れて170万円の損失を出してしまった。おかげでアベノミクス相場で得た利益の半分近くが吹き飛んでしまった。




暴落をしているときですら「絶好の押し目買いのチャンス」などと買い煽ったあの超強気のアドバイスは一体何だったのか。それよりも、なぜあそこまで信じ込んでしまったのか。欲に目がくらんだか。「東大卒」が嘘をつくはずがないと思い込んだか。それとも、新興宗教と同じようにある種の催眠術にでもかかったのか。

いい年をして「だまされた」などといっても始まらない。株式投資は最後は自己責任である。株式投資で大損したことは何回もあるが、今回だけは自らの未熟さで落ち込んだ。テキトーな情報を会員に流して30万円の入会金をとる。入会金集めがこの投資会社のビジネスモデルだと知ったのはだいぶ後になってからである。なにしろ3000人の会員を集めれば9億円になるのだ。


ネット上では、いまもその投資顧問の宣伝が大々的になされている。危ない、危ない。世の中には、この手の胡散臭い商売が跋扈している。自分だけは大丈夫なんてことはない。今回の体験で思い知った。欲に目がくらむとろくなことはない。
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