375's MUSIC BOX/魅惑のひとときを求めて

想い出の歌謡曲と国内・海外のPOPS、そしてJAZZ・クラシックに至るまで、未来へ伝えたい名盤を紹介していきます。

本田美奈子BOX(DISC 1) 「Temptation(誘惑)」他

2006年12月04日 | 本田美奈子


本田美奈子BOX - disc1

収録曲 
1.殺意のバカンス 2.恋人失格 3.好きと言いなさい 4.暗闇に紅いドレス 5.青い週末 6.モーニング美奈子ール 7.Temptation(誘惑) 8.if …… 9.M' 10.Temptation(誘惑)<NEW MIX VIRSION> 11.讃美歌は歌えない 12.マンハッタンの蛍 13.HARD TO SAY "I LOVE YOU" 14.DOUBT 15.
CHARLIE 16.NOVEMBER SNOW 17.APERITIF
 
(18~20.「殺意のバカンス」「好きと言いなさい」「Temptation(誘惑)」オリジナル・カラオケ)
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本田美奈子がデビューした1985年には、衝撃的な事件があった。520名の犠牲者を出した日航機墜落事故。その犠牲者の中には、歌手・坂本九の名前も含まれていたのである。

坂本九は、子供から年輩の方に至るまで、あらゆる年齢層に親しまれた、文字通りの国民的アイドルだった。自分自身も、小学校1年生の頃から、いや、その前から知っていたかもしれない。物心がついた頃には、すでに「上を向いて歩こう」のメロディーを憶えていたのである。

自分にとって、「ひとつの時代が終わった」とも言える1985年の4月、歌手・本田美奈子はデビューした。当時デビューするアイドル歌手は、すでに世代的には、自分より一回り下になっていたので、よほどのことがなければ、注意を払うことがなかった。自分にとってのアイドル史は、同世代の石川ひとみを最後に、終わったつもりになっていたのだ。

しかし、本田美奈子は、一味違った。当時としては群を抜くスレンダーなルックスも目を引いたが、やはり歌唱力が尋常ではなかった。「普通のアイドルではない」と、最初から思わせるものがあった。もしかすると、将来は日本の歌謡曲史を変えるかもしれない、と思わせるような、スケールの大きさを感じたものである。

本田美奈子BOXのdisc1には、デビューしたばかりの1985年の全楽曲が収録されている。4枚のシングルAB面全曲(収録曲の1~8)と、最初のアルバム「M’シンドローム」全曲(収録曲の9~17)である。最初の1年だけでも、実に中身が濃く、バラエティに富む楽曲が並ぶ。何よりも、ひとつひとつのテイクの完成度が高いので、決して聴き飽きることがない。

この粒ぞろいのdisc1で、あえてマイ・ベストの5曲を選ぶとすれば、まず⑤「青い週末」は欠かせない。どこまでも続く青空のように、広々とした曲想の中で歌われる、青春の旅立ち。この曲を聴くと、いつも故郷・湘南の海と江ノ電の情景を勝手に想像し、ノスタルジックな気分に浸るのである。

同じく、海辺での恋心を歌う⑦「Temptation(誘惑)」。このdisc中では、最も一般に知られている、ヒット曲。リズミカルな前奏が聴こえてくる段階で、すでに青春のときめきに包み込まれる。何度聴いてもワクワクしてくる名曲だ。

アルバム「M’シンドローム」の第1曲を飾った⑨「M’」。当時流行したディスコティックのリズムで、夜通し踊りまくるダンシング・ガール。文字通り、ディスコ版「踊りあかそう」である。

⑬「HARD TO SAY "I LOVE YOU"」。デビューわずか半年で成功させた日本武道館のライブで、ラストを飾った名バラード。「♪もうこれ以上 そばにいられない・・・」という最後の部分の歌詞を、あらためて聴いてみると、まるで永遠の旅立ちを前にした、惜別のメッセージのようにも聴こえてくる。

そして、屈指の名曲⑯「NOVEMBER SNOW」。ロシア民謡風の翳りと共に疾走するメロディーラインに、ドラマティックな歌唱が絶妙にブレンドされていくさまは、見事というほかはない。シングルで出していれば、かなりのヒットを記録したことだろう。



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