375's MUSIC BOX/魅惑のひとときを求めて

想い出の歌謡曲と国内・海外のPOPS、そしてJAZZ・クラシックに至るまで、未来へ伝えたい名盤を紹介していきます。

本田美奈子.メモリアル・ベスト 『ANGEL VOICE』

2007年05月10日 | 本田美奈子


本田美奈子.メモリアル・ベストANGEL VOICE』  (2007年4月18日発売)
TOCT-26255/56
DISC1 01.Temptation(誘惑) 02.1986年のマリリン 03.Oneway Generation 04.GOLDEN DAYS 05.殺意のバカンス 06.M' 07.好きと言いなさい 08.ハーフムーンはあわてないで 09.HELP 10.あなたと、熱帯 11.孤独なハリケーン 12.僕の部屋で暮らそう 13.命をあげよう~「ミス・サイゴン」より 14.この歌をfor you
DISC2 01.悲劇がいっぱい 02.どうしたら 03.IT'S JUST 04.SHANGRI-LA 05.あの娘があなたを狙っている 06.I~私のままで 07.GAMBLE 08.Primary~思い出はかわらない 09.友達のふり 10.SEED
DVD 01.1986年のマリリン 02.Oneway Generation 03.好きと言いなさい 04.CRAZY NIGHTS 05.Temptation(誘惑) 06.あなたと、熱帯 07.GOLDEN DAYS 08.Primary~思い出はかわらない 09.1986年のマリリン(LIVE)
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本田美奈子.デビュー22周年の時期に合わせて、アイドル時代の所属レーベルEMIから発売された、CD2枚+DVD1枚の豪華メモリアル・ベスト。秘蔵写真入りのブックレットも付いており、ファンとしては嬉しいプレゼントである。

注目は、DISC2に収められた10曲。これは本来、1990年の秋頃にリリースが予定されていながら、諸般の事情でお蔵入りになっていた幻のアルバムの音源と思われるもので、先行シングルとして発売されたSHANGRI-LA」「I~私のままでの2曲以外は、今回が初登場となる。

先行シングルから17年越しのアルバム・リリース。これはちょっとした記録ではあるまいか。クラシック音楽の世界では、シューベルトの未完成交響曲のように、作曲後43年間、作曲者の机の中で眠り続けていた作品もあるが、歌謡曲の世界では、極めて異例の出来事かもしれない。

もちろん、幻のアルバムとは言っても、ミュージカルに進出する以前の作品でもあり、過度な期待はしないで聴き始めたのだが、これがなかなか素晴らしい。何よりも、今さらながら、彼女の歌のうまさに舌を巻いたのである。

楽曲も予想以上の出来栄えだ。冒頭の悲劇がいっぱいから、アップテンポでノリノリの曲目が続き、すでにシングル化された名曲SHANGRI-LAで、前半のクライマックスを形作る。後半も好調を持続し、本アルバムでの最高傑作GAMBLEPrimary~思い出はかわらないを経て、スケールの大きなバラードSEEDでしめくくる。まさに、聴きごたえ十分。アイドル初期から一段階成長した、未来の大歌手・本田美奈子のエンジェル・ヴォイスをたっぷり味わうことができる。

このアルバムは、いわゆる「美奈子史」の中で、どのような位置付けになるだろうか。アイドル時代のレーベルからリリースされ、ミュージカルに進出する以前の時期でもあるので、そういう意味では第1期の「アイドル時代」に属するかもしれないが、WILD CATSの解散後、あらためてソロのシンガーとして出発した最初のアルバムという観点で聴くと、すでに第2期の「ポップス時代」に足を踏み込んでいるようでもある。そうなると、このアルバムは、4年後の1994年にリリースされた傑作アルバムJUNCTIONの先駆的作品として見ることもできる。

事実、このアルバム中のいくつかの曲は、JUNCTIONに収録されたBBちゃん雲にのるに通じる、キュートで少しセクシーな、大人の雰囲気を表現しようとしている作品が少なくない。悲劇がいっぱい」「SHANGRI-LA」「GAMBLEには、いずれも、そのような路線を意識した節回しが見られる。特にGAMBLEは、本田美奈子自身が作詞を手がけた快心の一作であり、個人的には、今回のアルバムで最もお気に入りの曲となった。コーラスの部分を聴いていると、もともとはWILD CATS用の曲として準備していたものかもしれないが、可能であれば、今からでもシングルA面曲としてリリースさせてみたい気がする。

DVDでは、1986年のマリリンOneway Generationなどのお馴染みの映像のほか、今回初公開のGOLDEN DAYSのメーキング映像などが収められている。
個人的には、DVDでは初の収録となるあなたと、熱帯に惹かれた。この映像は、昨年のフィルムコンサートでも一部が紹介されていたが、このWILD CATS時代というのは、後年のクラシック時代とは正反対に、前衛芸術に驀進した本田美奈子を体験できる時期なのである。今見ると、決して奇抜すぎることはないし、ヴィジュアル的にも可愛らしく、不思議な妖麗な魅力さえある。以前も書いたことがあるが、1989年の豹的ツアーの映像が残されているなら、ぜひ見てみたいものだ。

DISC1では、これまでEMIで発売されてきたベスト盤と違い、僕の部屋で暮らそう」「この歌をfor youといった、別レーベルの曲目を加えている点が注目される。将来的には、アイドル時代からクラシック時代までをすべて総括した、ファン投票で選ぶ本田美奈子.スーパー・ベスト曲集などの企画が生まれるかもしれない。



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2 コメント

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可愛いアイドル (村石 太1788号名古屋)
2010-02-06 20:54:34
ミュージカル見たかったなぁ 1986年のマリリン好きだったなぁ。左上の本田美奈子さんの写真の下のプロフィールの現在が意味わからないのだけれど
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いつもそばにいるアイドル (ミナコヴィッチ)
2010-02-08 16:07:53
ミュージカル観たかったですよね。美奈子さんを夢で見たというファンは多いので、こちらが望めばきっと会いに来てくれるでしょう。プロフィールの意味は…まぁ書いてある通りです。
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