昨朝(1日)の新聞コラムに興味深い記述があった。
【中日春秋+筆洗(2012.12.1)】
看板政策の度重なる書き直しは、どうにもいただけない。
日本維新の会の原発政策は「2030年ゼロに向け積極的にアクション」だった。
それが太陽の党との合流で「脱原発」がいったん消えた。
卒原発を掲げる未来の党が脚光を浴びると「30年代までにフェードアウトする」となり、
昨日(11月30日の党首討論)は石原慎太郎代表が「そういう公約は直させます」。
【産経抄(2012.12.1)】
未来の党の公約には鳩山民主党が掲げた月2万6千円の子ども手当も最低保障年金も東アジア外交重視もすべて入っている。
十数もの政党が入り乱れてぼやけかけてきた「民主党政権の総括」という争点がはっきりする。
新党がかぶっている「卒原発」の甘い皮を一枚めくると約50人もの元民主党議員がひしめく「本家民主党」であることが有権者によくわかるはずだ。
中日春秋は中日新聞のコラム。
筆洗は東京新聞のコラム。
産経抄は産経新聞のコラムだ。
中日新聞は脱原発を掲げ産経新聞は原発の維持(推進)を主張。
ハト派の中日新聞とタカ派の産経新聞が批判する相手は大凡予想ができる。
<日本維新の会>
中日(東京)新聞に示される日本維新の党の混乱は目に余るものがある。
頑固で自分を正当化することに躍起な橋下市長と、
頑固でどんな軋轢があろうと唯我独尊の石原氏の共闘。
橋下氏が市長職を全うしてからの国政進出の地固めを買って出た石原氏。
しかしその実は、
自らの主張に一歩も引かぬ頑固な性格は誰もが予言する将来的分裂。
神輿に担がれながらも橋下市長にはコントロールできぬ石原氏の暴走発言。
大阪の地から指示を出すと言っても内部は駆け込み寺と保守老人軍団。
さらに選挙資金を捻出し立候補する新人議員。
小泉チルドレンや小沢ガールスで懲りたはずの“風による当選者”を目論む者達。
数人しかいないプロ集団(現役国会議員)は何れも一癖二癖。
「当選してしまえばこちらのモノさ」の心の声。
纏めるにも壊すにも石原氏の腹一つ。
必ずや離合集散が繰り返されるだろう。
この党に何を期待しろと言うのか?
<日本未来の党>
産経新聞の言い分は大凡私の考えに通じる。
日本未来の党は小沢一郎氏の新党。
その見方は誰の目にも明らかだ。
嘉田知事も橋下市長同様に国政には進出せず。
滋賀県から小沢氏をコントロールするのだと言う。
国政は原発問題だけではない。
多くの問題は現役国会議員の判断が必要だ。
さらに高級官僚との駆け引き。
滋賀県で睨みを利かせると言っても信用できない。
さらに立候補者の多くが小沢氏を慕って民主党を離れた人間。
「当選してしまえばこちらのモノさ」の心の声。
数が揃えば嘉田知事が何を言おうと門前払い。
小沢・鳩山政権の失政に何の責任も取らず、
自分は毎度の一兵卒(聞き飽きた)。
多くの政治失態を野田総理に引き受けさせて自分は逃走。
故田中氏、金丸氏同様に闇将軍としての居場所。
政権(政党)が失政をしても自分は“一兵卒”だから。
原発問題で日本が大混乱していた時の小沢・鳩山氏の対応。
私はあの時の悔しさを決して忘れてはいない。
その小沢氏は恥ずかしげもなく“脱原発”を主張する愚かさ。
日本未来の党は小沢新党でないのかも知れない。
しかし将来的に日本未来の党は小沢氏に乗っ取られる。
嘉田知事の正義は橋下市長の優柔より信頼できる。
しかし、
私は日本未来の党を信用しない。
*****
もうひとつだけ注目の社説。
【朝日新聞社説(2012.12.2)】
日本の外交・安全保障の行方を問う選挙戦が始まる。
政権交代後、米国との関係がぎくしゃくした。
日米安保が大事だと言いながら普天間問題には目をつぶる。
これではあまりに無責任ではないか。
とりわけ民主党の罪は重い。
鳩山政権時代に「最低でも県外」を掲げ辺野古案は宙に浮いた。
迷走の末、代わりの移設先が見つからず断念した。
日米合意を受け入れる決断をした地元住民も今は県外移設を唱える。
首長の反対や巨額の財政負担を考えても辺野古移設はもはや現実味を失っている。
自民党の安倍総裁は、民主党政権の「外交敗北」を批判する。
だが、その自民党も辺野古以外の案を示しているわけではない。
4日の公示を前に憲法改正や国防軍構想といった威勢のいい安保論が飛び交う。
だが“そんな議論”の前にやるべきことがある。
地域の平和と安定を保つための大きな構想を示し沖縄の基地問題解決のために米政府と向き合う。
それこそが本来の政治の責務ではないか。
朝日新聞が示した民主党の失態。
鳩山総理(当時)に小沢幹事長(当時)の責任。
2012年12月16日。
年末総選挙とは、
小沢・鳩山両氏の責任を問う選挙でもある。
民主党の失態を野田総理だけに問うのではなく、
日本未来の党(小沢新党)にも問うべき選挙である。
いい加減に“一兵卒の隠れ蓑”を脱ぎされ。
誰も民主党から逃げ出した小沢一郎を恐れてはいない。
数の力による“決められない政治にウンザリ”しているのだ。
小心者の“小沢一郎の時代”は終わるべきだ。
と同時に朝日新聞が示すまでもなく、
TPPと消費税増税と原発問題だけに世間の目を誘導する流れ。
年末総選挙の争点として沖縄問題と日中韓の領土問題は必修科目だ。
少数政党も見栄の好い国内問題だけでなく外交問題の意志を示すべきだ。
特に『日本未来の党』は甘い飴を示すばかりで苦い薬を避けている。
賢者は自らの健康を考え甘い飴は遠慮しなければならない。
国民を見縊るのはいい加減にして欲しい。
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