mimi-fuku通信

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『細密描写:伊藤若冲&超絶技巧:並河靖之&超写実絵画』番組情報。

2011-05-13 23:33:44 | 美術・芸術・創造

 NHKーBSプレミア
 『シリーズ:若冲ミラクルワールド』
  第1回:色と光の魔術師~“奇跡の黄金”の秘密に迫る~
 第2回:カタチに命を吹き込む~細密表現と視覚のトリック~
 第3回:国際人:JAKUCHU~千年先を見つめた絵師~
 第4回:黒の革命~水墨画の挑戦者~
 ~2011年 5月15日(月)午後(昼)0時~午後6時(360分)

 NHKーBSプレミア
 『極上美の饗宴:シリーズ“いのち映す超絶工芸”』
   ~色彩めぐる小宇宙:七宝家・並河靖之~
 ~2011年 5月16日(月)午後9時~午後9時58分(58分)

 NHK教育
 
日曜美術館『超写実絵画』
 ~2011年 5月15日(日)午後8時~午後9時(60分)

 <mimifukuから一言>

 以前にも紹介した、
 “伊藤若冲”の特集番組のシリーズ完全再放送。
 第1回:色と光の魔術師~“奇跡の黄金”の秘密に迫る~
 第2回:カタチに命を吹き込む~細密表現と視覚のトリック~
 第3回:国際人:JAKUCHU~千年先を見つめた絵師~
 第4回:黒の革命~水墨画の挑戦者~
 の内では、
 第1回と第2回がお薦めの超絶技巧は皇室の名宝として名高い動植綵絵。
 ~2009年の秋に開催された東京国立博物館での皇室の名宝展で全30幅を公開。
 動植綵絵(御物)”公開は美術ファンにとっては記憶に新しい出来事だったと思う。
 *図版→ http://www.kunaicho.go.jp/culture/sannomaru/syuzou-12.html

 放送された伊藤若冲のミラクル・ワールドは、
 驚異的なカメラワークで色彩の秘密とミクロの拡大を表現。
 多くの家庭で手に入れたと思われるデジタル大画面に映る奇跡は、
 肉眼で見る以上の迫力で眼前に迫る驚嘆の映像。
 また、
 第3回のミラクルワールドは西陣等の織物からヒントを得られたと考えられる、
 不思議な構成の“鳥獣花木図屏風(プライス・コレクション)”が紹介される。
 第4回のミラクルワールドは若冲が持つユーモアが最大限に発揮された、
 “果蔬涅槃図(京都国立博物館蔵)”などが紹介される。
 ~何れも2000年秋に京都国立博物館で開催された若冲展で確認。
 超絶(技術と技法)と独創(升目描きや点描)とユーモア(題材や置き換え)。
 奇抜・奇想の画家から今や世紀の天才としての評価が高まる伊藤若冲の世界。
 是非ご覧ください。


 『極上美の饗宴:シリーズ“いのち映す超絶工芸”』
 
は、
 七宝の第一人者であった並河靖之さんの特集番組。
 並河さんと言えば忘れられないのが、
 日本工芸史上の最高傑作のひとつに数えられる、
 “黒地四季花鳥図花瓶(御物)”は必見。
 *図版 http://www.kunaicho.go.jp/culture/sannomaru/syuzou-18.html
 特に、
 実物の作品を目にする時に誰もが感じるだろう“楓の緑の美しさ”は絶品で、
 空前絶後の七宝職人の技の冴えにカメラは何処まで迫るか?
 期待しないほうが無理です。
 *日本(人)の凄さを知る番組になると感じます


 日曜美術館『超写実絵画』(再放送) 
 は

 千葉県にオープンしたホキ美術館を尋ね現代の写実(細密)描写を紹介。
 写真のように細密に描かれていく絵画技法は芸術と言うよりも職人芸。
 しかし、
 番組で紹介される写実表現技法が自然の揺らぎを表現するのではなく、
 機器的な描写表現(瞬間の切り取り=写し)であることに時代への疑問も。
 否定はしないが印象派の時代(19世紀後半)に捨てられていく絵画表現を、
 改めて(デジタル時代に)復興していく意味付けが不明瞭な番組制作は残念。
 1人の画家を追うのではなく複数の画家の思いを知りたかった。
 超写実表現への挑戦。
 新しい絵画技法の試みが稀薄なことで私は“職人芸”と捉えた。


 ~以下NHKホームページより記事転載(美術)。

 【シリーズ:若冲ミラクルワールド(全4回)】

 若冲の絵を超高精細のカメラで拡大していくとそこに見えてきたのは、
 絵具を数ミリの“点”で重ねた花や、
 さらに細かく粒のレベルで絵具を置いた、
 鳥の模様など超ミクロの驚異的な色遣い。

 <シリーズ第1弾>
 『動植綵絵』の色彩マジックを徹底解明する。
 調査によると若冲が使っていた絵具は20数種類。
 そこから一体どのようにして無数の色があふれる極彩色の世界を創り上げたのか?
 さらに現代の視覚工学の研究者が関心を寄せるのが“金”。
 若冲の金はこれまで金泥を使ったと考えれられてきた。
 しかし黄金に輝く白鳳の絵具を調べてみると驚くべきことに金泥は一切検出されなかった。
 そこには絵の裏側からも技巧をこらす独創的な色彩テクニックが隠されていた。

 <シリーズ第2弾>
 「動植綵絵」の世界にさらに深く分け入って行く。
 13羽のニワトリが超細密に描かれた「群鶏図」。
 見る人に視線の動きをとらえる最新のアイカメラを装着してもらうと、
 めまぐるしく視線が移動しまるでニワトリが動いているかのような感覚が…。
 若冲はどのようにして動植物の姿に命を吹き込んだのか。
 若冲は庭に十数羽のニワトリを放ち何年にもわたって観察を続けたという。
 その目線はやがて深い海に住む魚や貝にまで広がり、
 独自の"生命の楽園"が生み出されていった。
 10年もの歳月をかけ生きとし生けるものの姿を描き切った「動植綵絵」。
 そんな大作を若冲は京都の相国寺に寄進。
 仏を飾る荘厳具として永久に伝えられることを望んだ。
 かつて寺を飾った「動植綵絵」本来の姿をコンピューターグラフィックスで再現。
 若冲が込めたメッセージを浮かび上がらせる。

 シリーズ第3弾>
 わずか一センチ数ミリ四方の升目一つ一つに色を塗り、
 8万6千個も並べた前代未聞の升目絵「鳥獣花木図屏風」。
 描かれているのは当時の日本には生息していなかった象やラクダ、豹…。
 絵に当たる光の角度が変わるとなんと鳥の色が変わって行く…。
 シリーズ第3弾は升目絵の秘密を解き明かしながら、
 若冲の作品にあふれる"国際性"を読み解いて行く。
 なぜ升目で描いたのか?
 そこには若冲のどんな思惑があったのか?
 アメリカのコレクターが所蔵する升目絵を詳細に分析し、
 コンピューターグラフィックスを駆使して升目の効果を検証。
 カメラは升目のヒントとなったのではないかとされる絵を求めて韓国へ。
 さらに「動植綵絵」から発見されたプロシア産の青い顔料の秘密に迫るため、
 ドイツへと飛ぶ。

 <シリーズ第4弾>
 マンガのようなまん丸の象。
 悲しさにうちふるえる野菜たち。
 きょとんとした表情の鶏の家族。
 最終回を飾るのは"水墨画"。多彩な色にあふれた“動植綵絵”とは全く異なる、
 若冲の自由で天衣無縫な世界へと案内する。
 まずは鹿苑寺(金閣寺)書院に描かれた傑作水墨壁画50面を初めてテレビで全公開。
 そこには月明かりを捉えた巧みな空間表現が広がる。
 さらに若冲が得意とした超絶技巧「筋目描き」を徹底分析。
 墨のにじみを操ってニワトリの羽根の質感まで描き出した、
 驚きの技法の秘密を解き明かしていく。
 85歳で亡くなるまで最後まで革新を求め続けた若冲の姿を描く。

 【番組ナビゲーター】:嵐の大野智さん
 【番組ナレーター】:女優の中谷美紀さん。


 極上美の饗宴:シリーズ“いのち映す超絶工芸”
 『色彩めぐる小宇宙:七宝家・並河靖之』

 シリーズ「いのち映す超絶工芸」第2回は明治の七宝家・並河靖之。
 金属の素地に釉薬で彩色し焼成する七宝は3000年以上の歴史を持つ。
 なかでも日本の自然の色彩の移ろいを繊細に表現した並河の作品は最高峰とされる。
 葉の一枚一枚まで微妙に異なる色のグラデーション。
 花や鳥を縁取る緻密(ちみつ)で表情豊かな線。
 それらを際立たせる漆黒の背景。
 一代限りで受け継がれなかった並河の幻の技の秘密とその生涯を探る。

 【出演】平松礼二
 【語り】井上二郎


 『原点にして究極! 超写実絵画:野田弘志』 

 
 まるでそこにあるかのように、
 細密に描かれた超写実絵画。
 女性の柔らかな髪の一本一本、
 皮をむいて少し時間の経ったレモンのかすかな湿り気、
 写真と見間違うほどの超写実絵画に今注目が集まっている。
 番組では第一人者:野田弘志さん(74)の制作現場に密着。
 北海道の人里離れた山中で暮らし、
 1日の大半を黙々と画を描くことに費やす。
 卓越したデッサン力を用い自己表現を排除し、
 ありのままを見つめ徹底した写実で描いていく。
 イラストレーターとして活躍し30代で画家に転身。
 以来一貫して写実を追求している。

 そんな野田さんの願いは、
 「人間そのものの“存在”を描きたい」。
 以前から動物の骨など死をテーマにしてきた。
 「死を知ることで、これからは人間の生を描きたい」という。
 取材中動物の骨に囲まれた部屋に籠って描き続け、
 時に吹雪の雪山に足を運び自ら死を感じようと模索していた。
 生命の儚さ、人間の尊さをどこまで描けるのか?
 真の写実とは何か?
 厳冬から春にかけて74歳の野田弘志さんの執念の姿を追った。
 画家が見つめる生と死、
 そして“存在”とは? 
 超写実絵画の深遠に迫る。

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