カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

iPod Touch

2010年11月16日 | 日本
最近iPod Touchを手に入れた(実は息子からの誕生日プレゼントでした)。そして、その驚くべき性能に驚嘆している。以前よりiPodは愛用していて、旅行中の飛行機の待ち時間や機上で、好きな音楽を楽しんでいる。私にとっては欠かせない旅の友である。

しかし、最新式のこのiPod TouchはWalkmanのような音楽鑑賞の機能ばかりでなく、インターネットに接続可能で、iPhoneやスマートフォーンのようにAppsをダウンロードでき、もちろんメールやGoogleもできてしまう。新聞が読める。Nature,Scienceなど科学雑誌に発表される最新の論文が手のひらで読めてしまう。もちろん、PubMedもOKだ。GPS機能もあるし、カメラもついている。まるで、ラップトップコンピュータが手のひらに乗ってしまった感じである。そして、ズボンや上着のポケットに入ってしまうので、どこへでも持ち運び可能である。

ちょっと大げさかもしれないが、こういうのを「Breakthrough」というのだろう。少なくとも私の生活の中ではそういう存在であるといえる。

アップルという会社の独創性と想像力に感嘆するほかない。そして思うのは、これまでありとあらゆる電子機器の小型化で先頭を行っていた日本の企業は、こんなビジネスチャンスに何をしていたのだろうと頭を抱えてしまう。iPod TouchはWalkmanの発想の延長線上にある商品だ。私が愛用するパソコンVAIOを作ることができ、Walkmanを世界に先駆けて作り上げたソニーという会社は、なぜアップルより先にiPod TouchやiPhoneを考案できなかったのだろう?

そんなところに日本の現在の大きな課題があるように思える。漠然とした答えだが、要するに人と環境である。才能のある人、独創的な発想ができる人、そして、そういう「能力」をフルに活用できる環境設定が重要である。

そういう環境を整えるには、はっきりとしたビジョンを持って、まだ見えぬ将来への見通しがきくリーダーシップの存在が欠かせない。アップルのCEO・スティーブ・ジョブズ氏は、そういう意味ですごい人なのだろう。

様々なレベル、様々な分野で、人材はかけがえのない国の財産だ。日本人が有能であることは間違いない。それをどうやって生かすことができるかが、どの分野にもいえる日本の課題のように思う。

アップル社のiPod Touchを楽しみながら、ふとそんなことを思った。


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2 コメント

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THE WORLD WORKS HERE (otake)
2010-12-18 10:27:01
先日、日経新聞に北米の投資ガイドとしてカナダ・オンタリオ州政府が全面広告を載せていました。すでに多くの日系企業が進出を果たした背景には、オンタリオ州が提供する各種の奨励プログラムや税制上の優遇措置の存在が大きいと紹介されていました。すばらしい!! いつかあの象徴的なタワーに上るのを夢を見、ではまた。
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CNタワー (カナエク管理人)
2010-12-20 23:53:18
Otake様
いつか一緒にCNタワーに登りましょう!
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