メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…34

2020-05-25 22:22:00 | 整備
緊急事態宣言も多くの地域で解除されましたが…


ウチにはまだアベノマスクは届いておりません…


最近ではマスクの供給もだいぶ追いついてきているのか私の住んでいる地域ではそこそこ普通に買えるようになってきています…


なので…

今更…マスク要る⁇
しかも2枚だけとか…笑

ほとんどの方は使わずに放置されるような気がします…






今年のゴールデンウィークは1日だけ休みがありましたが、過剰自粛ムードの中どこにも行けないので朝から家で子供とゴロゴロして夕方にスーパーにちょっと買出しに行く程度で、それ以外は何もせずダラダラと過ごしました…
今年に入ってからは休み無しで仕事してきたので、まあそんな日もたまにはいいでしょう…笑


これは休み前の作業で…

SCR触媒交換で入庫したプロフィア …
差圧過剰のコードを検出しており、もう排気音からして明らかにおかしかったんですがNOxセンサーの取付ボスから中を覗き込むとスリップ触媒が割れているのが確認出来ました…



で、SCR触媒を交換するために取り外すと…

おぉ…



しかも飛び出してる…



更に取り外すと…
溶損ではなく破損…









この白い塊は尿素水がマフラー内で化学変化を起こす事で生成されるシアヌル酸という物質で、これは尿素水に含まれるトリウレットという不純物が原因です…

よく勘違いしている方がいますがこのシアヌル酸は尿素水がこぼれた時に出来る結晶とは全くの別物です。

この破損の原理も調べていくと生成されたシアヌル酸によって起きている可能性が高い事も分かり…
色々な分野のプロフェッショナルな方々に話を聞くと面白い程に点と点が線で繋がってきます…
その情報を整備の現場にフィードバックしたメンテナンスを行い…
その経過や結果を見ながらより効果の高い予防整備方法を模索、確立している段階です…

まあもちろん全てが想定通りの結果になる事は稀ですし、その過程でまた新たな別の問題が発覚する事も多々あります。

まあ、こんな事言うのもおかしいですが、だからこそ追求のし甲斐があるんですけどね…
簡単に直ったらなんの経験にもならないですから。

エンジンオイルもそう…
鉱物からフルシンセティックに変えた事で一部のエンジンでは別の問題も発生しています…
これは今色々と対策を実験、検証中なのでその結果を楽しみにしています。




で、新品を組み付けてデータをリセットして完了。







お次はマフラーカバーのステーが腐食で脱落したプロフィア の修理。







正攻法でいけばDPRユニットASSYでの交換になるんでしょうが、この年式にその修理代は割に合わないのでステーを製作してカバーを取り付ける事に…


適当なステーを製作。


仮付けしてボルト穴の位置を合わせながら…


位置が決まったら本溶接…



裏側にナットも溶接して…




カバーは取り付け穴が4箇所ありこのカバーの取り付け穴とナットの位置合わせが地味に大変です……

で、気休めの耐熱塗装を施し…



新品のカバーを取り付け…





完了です…




それからフォワードのDPFリビルトの依頼…
単品での持ち込みです。


内部はアッシュに加え軽油の混入も見られたのでこのDPFを搭載していた車両はインジェクターの交換も早めに行った方がいいですね。







分解して洗浄して組み付けて補修塗装まで行い完了…





更に車検で入庫したトラクタとトレーラのセット。


トラクタの方はベローズが危険領域なので交換…











問題はトレーラ…
車両引取り回送時にトレーラーABSのチェックランプが点灯しており…



WABCOのバリオCという古いシステムなんですが、自己診断をかけると…




コンピュータ異常のコード…
消去不可能で検出し続けるので恐らく本当にダメでしょう…

どちらにしてもこのままでは車検NGなので車検と平行して修理をする事に。

といっても、バリオCのコンピュータなんてもうとっくの昔に廃盤になっているのでまだ供給のあるVCS2にシステムごと載せ換え…
PCVやホイールセンサは再利用が可能なのでコンピュータとそれに関係する配線を引き直していきます…





まずは古いコンピュータを撤去して新しいコンピュータの位置決めから…






ここから配線を接続して各センサやアクチュエータ、電源、診断用コネクタを振り分けていくんですが…


とにかく配線が長い…笑








組んず解れつの配線を各所に無理な無いように這わせていきます…



外部診断用のコネクタも新設する必要があります…


現車がタンクローリーなのでタンクやフレーム、サイドバンパー、更にはアウトリガまでもがアルミ…


溶接で取り付け可能な場所が無いので既存の穴を利用して共締めで取り付け。





電源コネクタも当然交換です。



更にcautionラベルも…



で、試運転にて無事にチェックランプが消灯する事を確認して後は車検持込へ…





壊れたコンピュータを開けてみると見事に湿気にやられておりました。









それから少し時間が空いたのでACマシーンの使い方に慣れるためにも自社の足車のエアコン配管のフラッシングをする事に…

3万で買ってきたタントちゃん…



まずはガスを回収してパイプを切り離しフラッシングキットを接続します。


で、標準的な設定で内部フラッシングを開始…
この間は当然自動なので放ったらかしも可能です。


サイトグラスを流れるオイルや不純物を見ながら…



フラッシングも完了…


後は通常の真空引きからガスチャージを行います…



ついでにエアコンの効率をアップする添加剤を注入…


コレ、実際にデモを見せてもらい思ったのはコンプレッサーのフリクションロスは間違いなく減るでしょうね…



で、作業完了…



ビフォーを撮り忘れましたがバッチリ冷えているのでオッケーに。





DPFのチェックランプが点灯するという事で入庫したプロフィア…



洗浄前の差圧はご覧の通り…



DPFを洗浄後の差圧測定は劇的に改善しました…



なにせ大量のアッシュが取れましたからね…





最近面白いのはDPFから出てきたアッシュの状態を見て使用しているエンジンオイルの銘柄がなんとなく分かるようになってきたこと…笑

もちろん全部が全部分かる訳ではありませんがある特定の銘柄のエンジンオイルは出てくるアッシュにも特徴がある事が分かりました…

これは非常に興味深い。


しかし調べれば調べるほどエンジンオイルって奥が深いですねぇ…




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