メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…13

2018-01-16 18:00:57 | 整備

まずは冷却水が漏れる…というCD4クオン。
エンジンはGE13。

運転手さんが出先で水漏れに気づき、水を足しながら帰って来たようなんですが…
引き取り時、現状を確認する為に下廻りを覗き込むも冷却水が漏れてる様子は見当たらず…

エンジン廻りで冷却水が漏れそうな所を確認しても漏れた形跡も無い…

更に冷却系統に圧力をかけてみるも圧は下がらず一向に漏れてこない…



でも確かにリザーバータンクの水は減ってる…


で、エンジンをかけた瞬間、左フロントタイヤの後ろ辺りから結構な勢いでポタポタと水が出てきました…

どこから漏れてるのかよーく確認してみると尿素水タンクに行くヒーターホースの切替バルブから勢いよく漏れておりました。


このバルブは尿素水の凍結防止や解凍をする時にエンジンの冷却水を利用する為のヒーターバルブ…

ウチではここから漏れたのは初めてです。


部品の在庫を問い合わせるとバルブ本体なら近くの営業所にあるという事で早速作業開始。

フェンダー類を取り外せばアクセスは容易で交換作業もさほど苦労する事もありません…


届いた新品のバルブは若干、形状が変更されてます。


整備書では遮断弁と記載されております…

通常時はバルブは閉じた状態で、DCUが各センサーからの数値を見て尿素水タンク内の尿素水が凍結、又は凍結の恐れがあると判断するとバルブを開きエンジンの冷却水を尿素水タンク内のヒーター経路に循環させます…

ただしエンジン始動後5分間は冷却水循環の為、温度や凍結の有無に関わらずバルブを開く制御をするようです。

なるほど…それでエンジン停止状態では漏れず、かけた瞬間に漏れだしたんですね…

で、取り外したバルブを分解…





通常時はスプリングの力でダイヤフラムを密着させ経路を遮断、マグネットバルブがオンになるとエアの圧力でピストンを押し下げそれと繋がったダイヤフラムを開く…至ってシンプルな作りです。


ダイヤフラムとピストンの当たり面に小さな亀裂があったので恐らく原因はダイヤフラムの劣化でしょう。


ホースコネクタを組み替えて…


車両に取り付け、接続されるホース2本も交換…


後は冷却水を注入してエア抜き…
尿素水タンク内の冷却水が抜けた場合はエンジン側の冷却水のエア抜きとは別に行う必要があるみたいです。



当然、エンジン停止状態では遮断弁は開かないので、エンジンをかけながらエアを抜く必要があります。


ブリーダーから冷却水が出てくるのを確認したら…


しばらくアイドリングさせて尿素水タンクのヒーターホースに温水が流れている事を確認…


サーマルイメージャー…
せっかく買ったので何か役に立たないかと色々と使ってます…笑

後は各部の漏れを確認して作業完了です。


お次は型式は忘れましたが、KL-のビッグサムで、キャブチルトシリンダーがパンクしたので交換してくれ…との事で部品持ち込みで入庫。

取り外したチルトシリンダー。


このキャブチルトシリンダーの交換も安全性からもキャブを降ろした状態で作業するのが鉄則なんですが…

ウチの会社には上げて交換しようとしたお馬鹿さんが居ましたよ…笑

こういう人間が事故や労災を起こすんだなぁ…と思ったモノです。

数年前には某ディーラーで落ちてきたキャブに挟まれ整備士が死亡する事故も起きてます…
非常に痛ましい事故ですが、安全対策を行っていればそんな事故は起きなかったはずですからね…


何よりも安全を優先しての作業を心がけましょう…

それと…
周りをあんまり信用しない事。
自分の身は自分で守るしかありません。


話逸れましたが…
支給されたチルトシリンダーを取り付けて…


オイルを補充して作動確認…


こちらも完了。



今度はSH1Eプロフィアのエア漏れ修理の見積もり…


まずはどこから漏れてるのか調べると…

定番のプロポーショナルリレーバルブからでした。
画像だと分かりづらいと思いますがリークテスターを吹きかけると大きなちょうちんが…


SHプロフィアではABSモジュレータとプロポーショナルリレーバルブからのエア漏れはよくあります…

こちらはオーバーホールでの見積りを出します。

今まで部品商にはASSYしかありません。って言われてそれを信じてたけど、以前コメントくれた方にリペアキットがある事を教えて頂き調べたところ実際には設定がありました。

それ以来、ABSモジュレータやプロポーショナルリレーバルブのエア漏れはオーバーホールで対応する事にしました。
だって新品ABSモジュレータは115000円、プロポーショナルリレーバルブは125000円ですよ⁉︎

それに比べてリペアキットは数千円ですからね…

脱着O/H一式の工賃加えても断然安く済みます。


こちらは見積りを出します。


それからこちらもQKG-SHプロフィア…

オイル漏れ修理で入庫ですが…


見難いと思いますがヘッドとブロックの合わせ面から漏れてきてます。


ここからの漏れもE13Cではたまにありますね…


これはヘッドガスケットに問題があるようで、一部保証延長が出てます。

ディーラーさんにお願いしたら忙しくてやってられない…という事で、今回は部品と工賃の一部はメーカー負担で作業は当社でやる事に…

まあウチのお客様なので何とか既存の予定にねじ込むしかありません…


他の仕事もあるので…


また忙しくなりそうです。





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