前回の続きですが…
他の仕事の段取りもあり、基本的にこの4JG2の作業はかかりっきりにはなれず、飛び飛びになるのでなかなか進みません…
まずはタフトライド処理されたクランクシャフトの被膜点検。
タフトライドとは表面硬化処理の一種で耐摩耗性などの向上やカジリ防止効果もあるそうで…
過去にレース用のエンジンにタフトライド加工してるケースは見た事ありますが…
金属の表面にタフトライド層という被膜を形成するんですがその被膜を点検しなさいよ…と整備書に記載されてます。
ちなみにタフトライド処理がされてる為、クランクシャフトのラッピングは不可となってます。
で、この被膜を点検する為に塩化銅アンモニウム溶水という化学薬品が必要なんですが…
この塩化銅アンモニウムは劇物に指定されている薬品なので簡単には買えませんし取り扱いにも注意が必要です。
ただ、点検する為の塩化銅アンモニウムは希釈水で5〜10%ほどに薄めて使用するんですが、自分では作れないのでコレも指定の濃度で製作してもらいます…
その塩化銅アンモニウム溶水をクランクシャフトに垂らして被膜を点検。
この状態で30秒程待って色が変化しなければクランクシャフトは再使用出来ます。
色も変色しないので…
クランクシャフトは各部の径も含め問題無く再使用出来そうです。
で、クランクメタルも再使用は可能でしたがこの際だから交換する事になり…
ブロックとクランクシャフトに打刻してあるグレードからメタルのサイズを選定します。
全部1なのでブロック側は誤差が無い…という事。
クランクシャフトにも…
No.5ジャーナルだけ3。
このブロックとクランクシャフトの打刻を見て5種類あるサイズからベストなものをチョイス。
先に頼んであったので部品はもう来てます。
組み付け準備に入ります。
まずは先にタペットとカムシャフトを取り付け。
整備書にはタペット下面は球面になってると書いてありましたが届いた新品は目視では分からない程でした。
それに変わり旧品は…
やっぱりタペットも減ってたんですね…
画像だと分かりづらいかも知れませんがW字に摩耗してます。
タペットを取り付けて…
カムシャフトを挿入。
カムシャフトが抜け落ちないように適当な対策をして…
腰下の組み付けに入ります。
新品メタルを指定の場所に…
クランクシャフトを組み込み…
オイルクリアランスの測定の為、
プラスチゲージを全ジャーナルに。
キャップを取り付けて規定トルクで締め付け…
オイルクリアランスの測定…
1番広い所で…つまりクリアランスが1番狭い所で測ります。
全て基準値内に収まり良好です。
ゲージをキレイに除去して本締め…
エンドプレーの測定も…
0.1mmで問題無し。
そしてエンジン屋さんから戻ってきたシリンダーヘッド…
歪みがかなり酷かったそうで…
基準値ギリギリまで削っても完全には歪みは取れなかったそうです…
結果的に0.25mm研磨しましたが…
過去にオーバーヒートした可能性が高いですね…
というより良くヘッドガスケット飛ばなかったなぁ…
いや飛んでたのかも…⁉︎
水圧検査の結果は合格だったんですが…
歪みが酷かった事もあり、念入りにヘッドを点検してたら…
げ…
1番と4番のバルブシート間にクラック入ってる…
マジか…
でもこれ…
今回の不調で入ったクラックじゃない可能性が高いんですよね…
ただ、このクラックを見ちゃうと交換した方がいい事は百も承知なんですが…
ヘッド交換となると金額が…
とりあえずお客様に現状の説明をする事にしますが…
エンジンの作業をしてるとこういう想定外の事はよくありますが、ここに来てのこのアクシデントは…
正直、胃が痛いっす…
他の仕事の段取りもあり、基本的にこの4JG2の作業はかかりっきりにはなれず、飛び飛びになるのでなかなか進みません…
まずはタフトライド処理されたクランクシャフトの被膜点検。
タフトライドとは表面硬化処理の一種で耐摩耗性などの向上やカジリ防止効果もあるそうで…
過去にレース用のエンジンにタフトライド加工してるケースは見た事ありますが…
金属の表面にタフトライド層という被膜を形成するんですがその被膜を点検しなさいよ…と整備書に記載されてます。
ちなみにタフトライド処理がされてる為、クランクシャフトのラッピングは不可となってます。
で、この被膜を点検する為に塩化銅アンモニウム溶水という化学薬品が必要なんですが…
この塩化銅アンモニウムは劇物に指定されている薬品なので簡単には買えませんし取り扱いにも注意が必要です。
ただ、点検する為の塩化銅アンモニウムは希釈水で5〜10%ほどに薄めて使用するんですが、自分では作れないのでコレも指定の濃度で製作してもらいます…
その塩化銅アンモニウム溶水をクランクシャフトに垂らして被膜を点検。
この状態で30秒程待って色が変化しなければクランクシャフトは再使用出来ます。
色も変色しないので…
クランクシャフトは各部の径も含め問題無く再使用出来そうです。
で、クランクメタルも再使用は可能でしたがこの際だから交換する事になり…
ブロックとクランクシャフトに打刻してあるグレードからメタルのサイズを選定します。
全部1なのでブロック側は誤差が無い…という事。
クランクシャフトにも…
No.5ジャーナルだけ3。
このブロックとクランクシャフトの打刻を見て5種類あるサイズからベストなものをチョイス。
先に頼んであったので部品はもう来てます。
組み付け準備に入ります。
まずは先にタペットとカムシャフトを取り付け。
整備書にはタペット下面は球面になってると書いてありましたが届いた新品は目視では分からない程でした。
それに変わり旧品は…
やっぱりタペットも減ってたんですね…
画像だと分かりづらいかも知れませんがW字に摩耗してます。
タペットを取り付けて…
カムシャフトを挿入。
カムシャフトが抜け落ちないように適当な対策をして…
腰下の組み付けに入ります。
新品メタルを指定の場所に…
クランクシャフトを組み込み…
オイルクリアランスの測定の為、
プラスチゲージを全ジャーナルに。
キャップを取り付けて規定トルクで締め付け…
オイルクリアランスの測定…
1番広い所で…つまりクリアランスが1番狭い所で測ります。
全て基準値内に収まり良好です。
ゲージをキレイに除去して本締め…
エンドプレーの測定も…
0.1mmで問題無し。
そしてエンジン屋さんから戻ってきたシリンダーヘッド…
歪みがかなり酷かったそうで…
基準値ギリギリまで削っても完全には歪みは取れなかったそうです…
結果的に0.25mm研磨しましたが…
過去にオーバーヒートした可能性が高いですね…
というより良くヘッドガスケット飛ばなかったなぁ…
いや飛んでたのかも…⁉︎
水圧検査の結果は合格だったんですが…
歪みが酷かった事もあり、念入りにヘッドを点検してたら…
げ…
1番と4番のバルブシート間にクラック入ってる…
マジか…
でもこれ…
今回の不調で入ったクラックじゃない可能性が高いんですよね…
ただ、このクラックを見ちゃうと交換した方がいい事は百も承知なんですが…
ヘッド交換となると金額が…
とりあえずお客様に現状の説明をする事にしますが…
エンジンの作業をしてるとこういう想定外の事はよくありますが、ここに来てのこのアクシデントは…
正直、胃が痛いっす…