以心伝心

書・旅・本などのメモ。

小倉百人一首78

2008年05月26日 | 
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に
  いく夜寝覚めぬ 須磨の関守            源 兼昌

(淡路島から通ってくる千鳥の鳴く声のために、
 幾夜目を覚ましたことか、須磨の関守は・・。)

 千鳥鳴く冬の須磨の関の旅情。

小倉百人一首77

2008年05月25日 | 
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
    われても末に  あはむとぞ思ふ        崇徳院

(川瀬の流れがはやいので、岩にせきとめられる急流が
 二つに分かれても又一つになるように、恋しいあの人と今は別れていても
 いつかはきっと逢おうと思う・・。)

 一念を貫いてほとばしる恋の情熱。

小倉百人一首76

2008年05月24日 | 
わたの原 漕ぎ出でてみれば ひさかたの
   雲居にまがふ  沖つ白波        法性寺入道前関白太政大臣

(大海原に舟を漕ぎ出して眺めわたすと、雲と見まがうばかりに
 沖の白波が立っていることだ・・。)

 はるかに望まれる大海原の沖の白波。

小倉百人一首75

2008年05月23日 | 
契りおきし させもが露を 命にて
   あはれ今年の   秋もいぬけり        藤原基俊

(お約束してくださいました「私を頼みにせよ」という恵みの露のような
 お言葉を命とも頼んできましたが、ああ、今年の秋もむなしく
 過ぎていくようです・・。)

 秋の終わりに世に顧みられぬわが子を思う父親の嘆き。