以心伝心

書・旅・本などのメモ。

盤上の敵

2012年10月06日 | か行の作家
盤上の敵 (講談社文庫)
北村 薫

講談社                   

 

猟銃を持った男が妻を人質に立てこもるのですが、自宅は警察や報道で取り囲まれてしまっています。はたして警察より上手く犯人とあのように駆け引きできるのでしょうか、主人公の子どものころからのエピソードも刺激的なのですが最後に一つにまとまってしまって構成が見事でした。


わたくしが旅から学んだこと

2010年11月05日 | か行の作家
わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!
兼高 かおる
小学館

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子供の頃、この番組を観ていました。
私が生れたころから31年間も続いていたのですね。
いつも素敵な衣装でスカーフなんかさりげなく似合っていらして憧れていました。
といってあまり英語は勉強しなかったのですが・・。
日曜日の朝だったと記憶していますが、母親と二人でうっとりみていました。
衣装やお食事やおトイレなどいろいろ苦労もあったのですね。
いつだったか、兼高かおるさんが世界を回って一番住みたい所は「パース」と聞いて
調べました。
オーストラリアには、二回出かけましたがパースにはまだ行ったことがありません。
私は、荷造りが下手で荷物が多くなり兼高かおるさんのように旅上手ではありません。
もう少しあちこち行ってみたい所がありますが時間や経済的にも難しいです。

東京島

2010年09月10日 | か行の作家
東京島 (新潮文庫)
桐野 夏生
新潮社

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ごく普通の中年夫婦が船旅にでて遭難する。
着いた所は南の島の無人島。やがて与那国島での生物研究のバイトから脱走してきた若者たちが漂着し、謎めいた中国人が漂着する。
男性三十一人と女性一人の無人島での生活がはじまる・・。
島の名前をトウキョウと呼びオダイバ、ブクロ・シブヤなどと名前を付けて暮らします。
ごく普通の主婦だった46歳の清子は、男性たちの欲望の対象とされやがて妊娠する。
島で生きていくために段々たくましく心が変化していきます。
島での出産を終え双子の母親となったところから話は意外な展開になります。
映画では清子の役を木村多江さんだそうです。
男性同士のカップルができてしまうのが笑えます。(ネタバレごめんさない。)


和泉式部日記

2010年01月24日 | か行の作家
和泉式部日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

角川書店

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百人一首、いよいよ56番王朝時代の恋の妖精和泉式部さんです。
和泉守橘道貞と結婚し小式部内侍を出産。
夫の留守に弾正宮為尊親王と熱愛になるも親王が亡くなってしまう。
その後、弟の帥宮敦道親王から便りが届く。新たな恋の始まり~。
宮の正妻が宮廷を出るまでの10ヶ月を綴ったものです。
敦道親王も亡くなってしまったので残念。

くらきよりくらき道にぞ入りぬべき
はるかに照らせ山の端の月    (拾遺集)

こころの旅

2009年11月12日 | か行の作家
こころの旅
神谷 美恵子
日本評論社

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人は受胎の瞬間から人生がはじまるのだそうです。
幼児期・思春期・青春期・壮年・老年期と「こころの旅」をしている。
私はそれほど強い反抗期というものがなかったように思います。
そして今、人生の秋に向かって生きているのかもしれない。
まだ更年期の気配は感じませんが、身体の変化は感じます。
よく人生など短い。後悔のないようにと教えていただくことがありますが
旅の途中、越えなければならない峠がいくつもあり嵐が吹くこともあります。
そんな中にも喜びや愉しみを見つけて旅を続けていきたいと思います。

川の名前

2009年09月24日 | か行の作家
川の名前 (ハヤカワ文庫JA)
川端 裕人
早川書房

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これは、夏に読もうと思っていました。もう9月になってしまいました。
小学五年生の男の子たちが自由研究の為に繰り広げる純情で感動するお話です。
自分たちの住む街に流れる川(桜川)に迷い込んだペンギンがでてきます。
視聴率ばかり考える汚い大人ばかりの中でチャルメラのおじいちゃんが素敵です。
爽やかな後味のする一冊でした。
川の名前の意味ってそうゆうことだったのかと思いました。

偏愛文学館

2009年08月14日 | か行の作家
偏愛文学館??
倉橋 由美子
講談社

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お盆は、家の大掃除しています。何でかな?・・。
倉橋由美子さんの本を再読してて気がついたのですけど
この本には39冊の倉橋さんの偏愛書評が書いてありますが、この中に「蘇東波詩選」が入っていました。中国の詩人で一番好きなのは李白でも杜甫でもない。
宋の蘇東波とのこと。流石です!
私もいつか書いてみたいと思っていたのですよね。
残念ながらまだ力不足なのですが。
あと内田百聞さん何故かファンが多いです。
谷崎潤一郎さんの「鍵・瘋癲老人日記」は、あらすじを読んだだけでも面白そうです。

蟹工船

2009年01月08日 | か行の作家
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
小林 多喜二
新潮社

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去年話題になったそうですね。
文学史の教科書でプロレタリア文学とか説明してあって難しそうだったので
読んだことがありませんでした。
船の中で蟹の缶詰を加工する労働は過酷で疲労で皆病気や体調が悪くなっても
人間らしい扱いをされません。年頭から重い話題でした。
労働者達の心理描写がとてもいいです。寒そうで恐かった・・。

愛するということ

2008年11月13日 | か行の作家
愛するということ (幻冬舎文庫 こ 13-2)
小池 真理子
幻冬舎

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24歳のマヤは元婦人科医師の野呂に偶然再会し恋愛関係になる。
野呂には妻子がある。やがて野呂は、新しい恋人とともに外国に行くことになり
29歳になったマヤは、47歳の元テレビキャスターに強烈に嫉妬し絶望する。
やがて柿村という父親ほどの年齢の男性に巡りあって次第に本来の愛の姿に目覚めていく。「愛するということは、やみくもに対象に溺れるものではない。むしろその逆である。」(本文より)
それでも人間には愛情が必要だと・・。
37歳の野呂にとって成熟した千晶は、魅力的でたまらなっかったでしょうね。
柿村の愛なんかくそくらえは、逆に人は愛なくしては生きられないのかな~と思いました。