枕草子六 2009年02月26日 | 書 二十段 村上の御時、宮耀殿の女御と聞えけるは 小一条の左大臣の女御におはしましければ 誰かは知り聞えざらむ。まだ姫君におはしける時、 父おとどの教へきこえさせ給ひけるは、 「一に御手を習ひ給へ。次にはきんの御琴を、いかで 人に弾きまさむと思せ。 さて古今の歌はた巻を、皆うかべさせたまはむを、御学問にはせ給へ」 となむ聞えさせ給ひける。
枕草子五 2009年02月25日 | 書 八段 正月一日、三月三日は、いとうららかなる。 五月五日は曇りくらしたる。 七月七日はくもり、夕つ方は晴れたる空に、月いちあかく 星の姿見えたる。九月九日は、暁方より雨すこし降りて、 菊の露もこちたくそぼち、おほひたる綿などもいたく濡れ、 移しの香ももてはやされたる。 なほ曇りて、ややもすれば降り落ちぬべく見えたるもをかし。
やはり観てみたいもの・・。 2009年02月24日 | 雑感 昨日から、マスコミで騒がれている映画「おくりびと」凄いですね。 今日は映画館には行列ができていたそうです。 先週の日本アカデミー賞のときから、観なかったことを悔やんでおりました。 久々に山崎努さんをお見かけして「お葬式」という伊丹監督の映画を思い出したりしていました。 山崎努さんは、昔から好きで特に松本清張さんの「けものみち」のドラマのときが大好きでした。お元気そうで嬉しいです。 本木雅弘さん、いい俳優さんになりましたね。 シブガキ隊の時、ザ・ベストテンという番組でとてもお習字が上手なことを披露されていたこと覚えているのは私だけかも・・。 ノーベル賞といい、アカデミー賞といい快挙が続いて元気をもらいます。
枕草子四 2009年02月24日 | 書 老いて頭白きなどが 人にとかくあないいひ、女房の局によりて おのが身のかしこきよしなど 心をやりて説き聞かするを若き人々は真似をし笑へど いかでか知らむ。 よきに奏し給へ。啓し給へなどいひても得たるはよし 得ずなりぬるこそいとあわれなれ。
伊吹山 2009年02月22日 | 書 先日の淡路島に向かっている時に撮影しました。 伊吹山で思い出すのは、百人一首五十一番です。 かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを 藤原実方朝臣 実方は、才人で一時は宮廷の花形であったようですが 思慮の浅いところがあり、殿上で藤原行成と口論になり行成の冠を叩き落してしまいました。 冠は当時の男性にとって命の次に大切なものでどんなに無礼なことであったかことか・・。 この事件で実方は陸奥の国に左遷され、馬の事故で奥州で亡くなったそうです。 少し哀れな貴公子。
枕草子三 2009年02月20日 | 書 三段 正月一日は、まいて空の気色うらうらと 珍しく霞み籠めたるに、世にありとある人は 姿かたち、心殊につくろひ、君をもわが身をも祝いなど したるさま殊にをかし。 除目のほどなど、内わたりはいとをかし。 雪降り氷りなどしたるに、 申文もてあるく四位五位、若やかに心地よげなるは、 いと頼もしげなり。
枕草子二 2009年02月19日 | 書 日入りはてて 風のおと蟲のねなど、いとあわれなり。 冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。 霜などのいと白く、又さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして 炭もて渡るも、いとつきづきし。ひるになりて ぬるくゆるびもてゆけば、すみひ、ひおけの火も 白き灰がちになりぬるはわるし。