以心伝心

書・旅・本などのメモ。

徒然草五

2014年11月21日 | 仮名

第十九段

鳥の声などもことの外に春めきて、のどやかなる日影に、かきねの草もえいづるころより、

やや春ふかく霞みわたりて、花もやうやうけしきだつほどこそあれ、

をりしも雨風うちつづきて、こころあわただしくちり過ぎぬ。


徒然草四

2014年11月18日 | 仮名

をりふしのうつりかはるこそ、ものごとにあわれなれ。もののあわれは秋こそまされと人ごとにいふめれど、

それもさるものにて、いま一きは心もうきたつものは 春のけしきにこそあめれ。


徒然草三

2014年11月10日 | 仮名

一の人の御有様はさらなり。ただ人も、舎人などたまはるきははゆゆしと見ゆ。

其の子うまごまでは、はふれたれど、なほなまめかし。

それよりしもつかたは、ほどにつけつつ、時にあひ、したりがおなるも、みずからはいみじと思ふらめど、いとくちをし。