世中の人の情は花染の移やすきものにざりける
わすれなむ 我をうらむな ほととぎす 人の秋には あはむともせず
こひしとは たがいにひそめし ことならん しぬとぞただに いふべかりける
やどりせし ひとのかたみか 藤袴 わすられがたき 香ににほひつつ
をみなへし うしろめたくも 見ゆるかな あれたる宿にに ひとりたてれば
うきことを おもひつらねて かりがねの なきこそわたれ 秋の夜なくなく
秋風の ふきにし日より 久方の 天の川なみ たたぬ日はなし
わがせこが ころもの裾を 吹き返し うらめずらしき 秋のはつ風
たれしかも とめておりつる はるがすみ すみたちかくす らん山のさくらを