雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

桐野夏生「グロテスク」読了。

2014-03-23 13:06:46 | books&magazine
昨日、今日と東京はいいお天気になり、ようやく春らしい気候になってきたようです。
午前中に買い物に出かけたのですが、駅前を歩いている人々もダウンを着ている人が少なくなりました。
朝、NHK「おはよう日本」を見ていたら、気象予報士さんが、それでもまだ冬のコートはしまわなうようにと言っていました。
さすがに真冬の寒さはもうないかもしれませんが、4月までは肌寒くなる日もあるらしいです。

一昨日から、知人に勧められた桐野夏生の「グロテスク」を読み始め、昨日の夜に読了しました。
上下巻それぞれ400ページずつぐらいはありましたが、話に引き込まれるように一気に読んでしまいました。
桐野夏生を読むのは初めてなので、読み始める前は何の先入観もなかったのですが、結局ほぼノンストップで読んでしまった次第。
本屋で平積みなのを目撃した時は「グロテスク」というタイトルが不気味で、自分から読もうと思う類の本ではありませんでした。
知人に勧められなければ読むこともない本だったと思うので、面白い本を紹介してくれた知人には感謝しています。
ここのところ仕事がバタバタしていたのでガッツリ本を読む機会がなかったけれど、また読書を再開しようかと思っています。

「グロテスク」というタイトルのとおりシビアな内容でしたが、ワタクシにも作中人物との共通項はあるというのが読後感です。
…というか、人間誰しもこういう心境になることがあるのではないかと思いつつ読んでいました。
有名な事件をモデルにした小説ですが、実際の被害者の心境はともかく、小説の中の女性と自分を比べると理解できる部分は多い。
もちろん、理解できるというのと実行できるというのは全く別の話で、ワタクシにはとても真似できることではないですけどね。
異動のごたごたで暗い気分を抱えて読み始めた小説ですが、意外なくらい、今の自分に似ている人物が登場します。
知人に勧められたのはその前の事なので、偶然の一致とはいえ面白いなと思ってしまいました。