バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

父と歩く

2018年11月29日 | ALL ABOUT JAPAN
私の両親が住んでるとこは、広島市街地からアストラムラインで15分しか離れていないにもかかわらず
山や川もすぐそばにあって、空気も水も良いからなのか、いろんな鳥を見ることができる。






ちょっとヒッチコック的


川の水がとっても綺麗なのは、マンションの上からでもはっきりわかるほど。







さて、ある日の朝。

私はその日も特に予定もなかったし、初夏みたいな良く晴れて温かい朝だったので
一人で広島市内を歩き回ろうと思っていたら、その日仕事が休みだった父が
「靴を買いに行くけ、一緒に歩こうかの。」と言い出した。


父はちょっと前に膝を痛めてしまっていて、膝の痛みに効くサプリをずっと飲んで様子を見ていたようだったが
そのサプリが驚くほどの効果を発揮しているからなのか、一緒に歩くと言う。
歩くと一言で言っても、私が歩くのと父が歩くのでは「歩く」質が違うのよ。
一般人とアスリートほどの違いがあるのよ。父よ、そこんとこ分かってる?
と思ったが、普段あんまり歩くことに対して情熱の無い父が、一緒に歩くというのだ。
珍しいことなので、それなら私のスピードを少し緩めて歩けばいいかと思い、父の靴の買い物に付き合うことにした。


「で、その目的の靴屋はどこよ?」と聞くと、「歩いて行くなんて信じれん。」と母がいつも言う、私が普通に歩いて行くモールの
そのまだ向こうにあると言う。
そんな長距離(by母)、父は本当に歩いて行けるほどの体力と忍耐力があるんだろうか。
途中でタクシー呼ぼうとか言うんじゃないでしょうねとか言う疑念が頭をかすめる。


まあそうなったらそうなったでしょうがないかと思いつつ、父と私は出かける準備をして出かけた。
後ろの方で「足の悪い爺さんを頼むね」と言いながら、くくく..と笑う意地の悪げな母だったが
たくさん歩くことに意欲的な父の方が、この時点で明らかに勝ち組だったことは確かだ。


さて、歩き始めたのはいいが、父と二人だけで一緒に歩くなんて滅多にないことで、
一体何を話していけば良いのか。
私が一緒に歩くいつもの連れは、ハニバニだったり、デミ嬢だったりで、常に仕事のことや生活のことを話すが
父とはこれと言って共通点がない。
どうすべーかと思ったが、歩き始めると、日常のどうでもない小さなことや、近所の地理的な話を始め、
そして父も私も車の話が好きなことに気が付く。
そしてこの近所のマンションのことや、マンション選びのコツまで、話すことは結構あって面白かった。


話につい夢中になって、歩く速度が私のいつもの速度になるので、その都度スピードの調節をしなきゃ、などと
心配したが、その心配も皆無で、父の歩くスピードは私とほぼ変わらない感じだった。
「足の悪い爺さんを頼むね(くくくw)」と笑っていた母の歩く速度の方が、ずっと遅いではないか。


あっと言う間に目的地の靴屋に到着し、素早いスピードで欲しかった靴をゲットした父は
休む間もなく「さあ、帰ろう」と言うのだ。まるでCombat Shopper
Combat Shopperとはその名の通り、戦のごとく、目的地目指して一直線に進み、到達したら一気に攻め込み、
目的を果たしたら、またすぐに戻ってゆく買い物の仕方をする人のこと。
言い方を変えると、『今日はぁ~ウインドゥショッピングしながら~いろいろ見たいの~』と見て回るような買い物は
一切しない人。


なので、靴を買い終わった父は、タバコを一回吸ってからまた黙々と歩き始めた。
なんか知らんけど、その膝のサプリ、驚異的な効き目だな。


帰りに通った川のほとりで鳥が戯れていたので、ちょっと休憩も兼ねて私は写真を撮りに川辺へ降り、
父はまたゆっくりとタバコを吸っていた。










お昼近かったので、ショッピングモールへ寄って家で待ってる母の分も入れて3人分のお弁当を買った。
流石にあんなに歩くとお腹がすく。
まるで5人分あるんじゃないだろうかという量のお弁当やお惣菜を買って家に帰った。


そのランチの美味しかったことと言ったら!
運動もしたし、小鳥と戯れたし、ランチも美味しかったし、
何と言っても、父と歩いた。


何だか実りのある一日だった。




父、お疲れ~。


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