Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

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医は仁術 日本らしさ発見。

2014年06月23日 10時01分01秒 | 日記


上野の科博で開催されていた
「医は仁術」* 終了前に滑り込んだ。
奇天烈な展覧会ですごく面白かった。

10年近く
東京医科歯科大学の解剖学教室にいた。

自分にとっては
とても大事な時期をそこで過ごさせていただいた。
許してくれた大学の先生方のおかげだ。

それから絵画の制作中心の生活になって5年ほど経つ。
大学に居た頃とは違った視点で
これらのものを見ることが出来るのは、また楽しいことだ。

解剖図を作るときは、正確さが第一に求められるので
海外の、特にドイツの本を参考にしながら作った。
シャープで正確、がっちりして人体の比率も美しい。

一方
今回「医と仁術」で見た江戸時代の解剖図は
シャープさに欠けた
ぼよーんと丸っこい形
ふんわりとした淡い着色。

日本って、こうなんだよなぁ…

木と水の風土
朽ちることを許す文化
湿気の多いこの時期に思う。
いくら近代化されても日本の風土は残っている。

解剖図を見るというよりも
忘れつつある日本らしさを堪能した。
それは欧米文化より遅れているとは全く思わない。
むしろ誇るべきものだと思う。

舌のあれこれ
限られた絵の具の濃淡で描き分けられている。
上に少し写っている
医療器具が痛そうでやばい(;゜ロ゜)


経絡でしょうか。
やはりプロポーションが独特です。


妊婦さんの人形模型
手前にある胎児や骨のパーツは、
母胎の中におさまるんでしょうね。
骨盤の恥骨結合が開いていますし(妙にリアルで気になる)
足が関節になっていてお産の体勢を作ることができそう。
よく出来ています。

医療機器を作る人が見たら
また別の視点があって面白いんでしょうね。


今年は何人かの友人がお産をひかえています。

「おなかの中に魚がいるみたい」

海、ですか?

*国立科学博物館 http://ihajin.jp/