Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

大英博物館にて春画展

2013年11月06日 07時15分28秒 | 日記


現在、大英博物館で春画展*¹ が開催されている。
このニュースは日本国内で、どれだけ知られているだろう?
美術関係者の間ではたびたび話題に上っていたので
当然知っているとしても
それ以外のどれだけの人が知っているかな?

一度、テレビで見た気がする。
あるいは、インターネットの動画だったかもしれない。

春画展が開催されるのは
決まって海外ばかりで
日本ではありえない。
もともと日本の文化なのに
どうしてだろう??

現代日本社会の 隠蔽体質と重なる。

春画からは当時の日本のいろいろな情報を得ることが出来る。
部屋の小物、ファッション
配色のセンス、人間関係やユーモア…

本当に感嘆してしまう。

ロンドンに行くことはできないので
せめてカタログ*² を取り寄せた。
面表紙は鳥居清長*³
裏表紙は歌麿*⁴

かっこいいです。


一部、中国の春画との対比も書かれているようで
写真は載せませんが、女性はやはり纏足をはいて描かれています。

そういえば香港に行った時、
骨董屋に、かつて使われていた古い纏足が展示されていた。
刺繍が凝っていてかわいいのだが、
想像以上に小さくて恐ろしかった。
以前、纏足によって骨が奇妙に折れ曲がった
足のレントゲン写真を見たことがあるので 
なおさら怖かったのかも知れない。

絶体はけないって!!





さて
カタログは400点のカラー図版が収録されていて
大満足です。

そのうちの1点

歌麿の「歌まくら」より
”海女と河童”

妖怪が出てくるとわくわくします。

一人の海女の見つめる波間には
2匹の河童に襲われる仲間の海女の姿がある。
だがそれだけでは終わらない。
よくよく見ると二人の海女はそっくりで
同一人物のようにも見える。
そこに気がつくと、
これは一人の海女の性的妄想かも知れない、と
別の見方が展開できる。
波間をじっと見つめながら
自分が河童に襲われるシーンを想像する、
そんな女性心理を男性が描けるなんて…
いや男性だからこそ、
こんなに上品に描けたのかもしれません。







日本文化つながりでもう一つ。
中高時代の同級生が地唄舞の教室を開きました。
ここにお知らせいたします。
http://tsurujo.jp/
地唄舞についてはまた
改めてご紹介いたします。



*1 British Museum http://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/shunga.aspx
*2 アマゾン http://www.amazon.co.jp/Shunga-Sex-Pleasure-Japanese-Art/dp/0714124761/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1383645623&sr=1-1&keywords=Shunga%3A+Sex+and+Pleasure+in+Japanese+Art+%28%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%29
*3  鳥居清長(1752-1815) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A5%E5%B1%85%E6%B8%85%E9%95%B7
*4  喜多川歌麿(-1806) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%B7%9D%E6%AD%8C%E9%BA%BF


カタログはアマゾンで購入。値段が少しずつ上がっています。