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よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

マインドフルネスとは(1)

2016-12-07 08:13:37 | 健康・病気
  「一つのことに集中できない、イライラする」、「忙しくないのにいつもだるい、疲れている」、「しっかり休養しているのに疲れがとれない」などの症状はありませんか? これらは、体の疲れではなく、脳の疲れのサインと考えられています。今回は、最近よく聞かれるようになったマインドフルネスについてお話します。

 脳は、重量としては体の2%しかありませんが、体全体の約20%のエネルギーを消費する大食漢です。脳が意識的に何も考えていない(ぼーっとしている)ときでも、脳はベースライン活動として、脳の消費エネルギーの60~80%を使います。したがってこのベースラインの活動を抑制しない限り脳が真の意味で休めたことにはならず疲労感がたまります。逆に言うと、脳が十分休息できれば、集中力が増し、パフォーマンスを上げることができるようになります。

 マインドフルネスとは、「ただあるがままでいるときの心(評価や判断をくだすことなく一瞬一瞬に注意をはらうこと)」あるいは「その心の状態になるための瞑想などを通じた脳の休息法の総称」をいいます。
 アップルコンピューターの創業者故スティーブ・ジョブズが座禅を組んでいたのは有名な話ですが、アメリカのグーグル、インテルなど超一流企業が、瞑想などのマインドフルネスを実践しています。本当に役に立つことしかしないエリートたちは、脳の休息が大事であり、マインドフルネスこそが「脳の最高の休息」であることを知っているのです。

 以前から、瞑想や座禅は、脳を一時的に休め心が落ち着くことは理解されていました。さらに最近の脳科学は、瞑想を継続的に行うと脳の構造そのものを変え疲れにくい脳になることまで証明しています。脳には、自らを変化させる能力(可塑性)があるのです。
 少し話がずれますが、瞑想や座禅を、西洋人は脳のパフォーマンスを上げるための手段と考え、東洋人はすべてを捨て去る手段ととらえる違いは興味のあるところです。

 次回は、マインドフルネスの実践法をご説明します。


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