よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

睡眠の話(3)

2018-01-06 09:52:07 | 健康・病気
 あけましておめでとうございます。本年も皆様にとって素晴らしい一年となることの祈念しております。当クリニックも、皆様の健康管理にお役に立てる医療を実践していきます。引き続きご指導ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。

 さて、今年は初夢をみられましたか? 昨年末から睡眠に関する話題を提供しておりますが、今回は、“最高の睡眠”について考えてみたいと思います。

 睡眠で最も重要なのは、入眠直後から始まる最初の90分間のノンレム睡眠(黄金の90分間)です。この睡眠がしっかりとれれば、①自律神経が整い、②成長ホルモンが分泌され、③脳のコンディションが良くなります。
 そして、睡眠の主な役割である、①脳と体に「休息」を与える、②「記憶」を整理して定着させる、③「ホルモンバランス」を調整する、④「免疫力」を上げて病気を遠ざける、⑤「脳の老廃物」をとる、が果たされ、睡眠の8割が確保されたと言われています。

 最高の睡眠”をとるためには、体温をコントロールすることが大切です。

体温スイッチ  覚醒時は、体温を上げてパフォーマンスを上げる。入眠時には、皮膚温を上げて(熱放散して)、深部体温を下げる。黄金の90分には、しっかり体温を下げて眠りの質を上げる。朝が近づくにつれて体温を上げて覚醒する。
このための方法として、就寝90分前の入浴、すぐ寝る時はシャワーか足湯、寝室を快適な室温に保つ、などが有効です。

脳のスイッチ  寝る前は、単調な(退屈な)状態にすること、睡眠のルーティンをつくる(いつもの時間に、いつものベッドで、いつものパジャマで、いつもの照明と室温で寝る)、ことが速やかな入眠を促します。
朝起きたら光を浴びる、手を冷たい水で洗う、朝食をしっかり噛んでとる、早足のウオーキング(汗だくのジョギングはだめ)、コーヒーを飲む、重要な仕事を朝にするなどで覚醒スイッチをオンにすると良い覚醒が得られ、その結果良い睡眠をもたらすと考えられています。

“黄金の90分間”しっかり眠りましょう。「果報は寝て待て」です。


参考文献:サンマーク出版『スタンフォード式 最高の睡眠』 著者 西野 精治