よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

自分で脈をとってみよう(1)

2016-04-29 15:00:18 | 健康・病気
今回は、脈についてお話します。

通常心臓は、1分間に60~80回、規則的に拍動し全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。皆様も自分の手首(親指の付け根あたり)で血液の拍動を感じることができると思います。これが脈です。
心臓の拍動の異常が、”不整脈“と言われ、心臓がドクンとする、動悸がする、ふらふらする、気を失うなどの症状の原因になります。
不整脈には、脈が速くなる(頻脈)、遅くなる(徐脈)、飛ぶ(期外収縮)など様々なタイプがあり、直ちに治療をしないと死に至るものから、ほっといても特に問題ないものもあります。日中にでやすいタイプ、夜間に出やすいタイプなど出現時期に特徴があるものもあります。
また不整脈を自覚する程度には個人差があり、一つ脈が飛んだだけでしっかり感じることができる方もおられる一方、総拍動の3~4割が不整脈でも全く自覚症状のない方もおられます。

さて、不整脈はなぜ起こるのでしょうか?
心臓の筋肉の中には、電気的な興奮が伝わる道筋(刺激伝導路)があり、これが心臓の拍動を規定しています。その伝導路の一部が、途切れたり、余分な伝導路があったり、筋肉細胞の一部が勝手に興奮したりして不整脈は生じます。これには、先天性、感染、変性、高血圧、加齢などが原因になります。また心臓に異常がなく、貧血、脱水、甲状腺機能異常、食道からの機械的刺激、精神的要因などにより生じる場合もあります。

治療は、不整脈の原因・種類により異なります。緊急を要する電気的除細動(最近街でも見かけるAED)、ペースメーカー植え込みから抗不整脈薬による薬物療法、息こらえ、頚動脈マッサージなどが有効な場合もあります。最近では、高周波を用いて不整脈の原因部分を焼灼して根治する治療もあります(カテーテルアブレーション)。

さて、自覚症状がない不整脈はすべて放置していいのでしょうか?
次回は、最近注目されている不整脈“心房細動”について解説します。


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