ケ時々ハレ・2

楽しむために、「晴れ」のために「褻」を生きてます。左脚も人工股関節にしました。右人工股関節はライト、左はエルといいます。

5月6日(土) 「ブラックコメディ」

2017-05-07 07:54:31 | 劇団四季
夫と「ブラックコメディ」観劇。









夫は初。
私は石丸さん以来、11年ぶり。





シュッと美しい石丸さんが、髪振り乱して、ピンクのシャツを汗でどんどん色濃く染めていくのを大笑いしながら観た。
キャロルは坂本里咲さん、クレアは八重沢さんだった。








今回はハギーと、三平さん、高倉さん。
全体的に若い印象。

焦っている人間、困っている人間はコメディには欠かせない素材。
なんとか突破口を見つけようとあがく人たちは、なぜこんなにおもしろいのか。

芝居のフォーカスから外れた所で、ちょこちょこ行われるそれぞれの芝居がまたおもしろい。

禁酒を自らに課しているファーニヴァルさんが、暗闇に乗じてどんどん酔っ払って行く様子が、はにべあゆみさんにくらべるとあまり顕著には見えなかったのが残念。

初めて観た時には、真っ暗闇と灯りがついた時との照明の表現に感動した。

その灯りの表現で、アクシデントがあった。

もう大詰め、ブリンズリーがいよいよ追い詰められて行く中で、ハロルドの持ったろうそく🕯がボトッと床に落ちて消えてしまったのだ。

灯りがついているシーンなのに、灯りが消えた。
これはアラジンの鼻血とか、フィーバスの消えた松明とかとは違う、この芝居の要である「灯りの有無」を左右するアクシデントだ。

どよめく客席から遠慮がちな笑い。
しかし舞台は(ろうそく🕯は消えたが)灯りがついたままの体で進行する。

ハロルドの牧野さんが、割れた仏像を片づけながら落ちたろうそく🕯をテーブルに乗せた。

すると、おもむろに志村さんのメルケットがライターでろうそく🕯に火をつけた。
客席は爆笑と拍手。

床に座ったままの牧野さんは、正座して志村さんに感謝のおじぎ。
志村さんもおじぎ。
客席はますます爆笑と拍手が高まった。

ベテランの底力!

芝居の流れを邪魔せずに、アクシデントを笑いに変えた即興力。

その場にちゃんと「居た」からできることだ。
段取り芝居しかしていない人は動揺するだろう。

ここまで大きなアクシデントではないが、「壁抜け男」のビデオ(石丸さん時代のVHS)の中で、公務員の茶飲話の最中に砂糖が落ちた。
その時、まったく流れを崩さずに歌いながら自然に拾い上げた俳優がいた。
これこそ我が敬愛する師匠である。

こういうことも、たまにあるから生の舞台はおもしろい。

それを突き詰めるから、インプロはさらにおもしろいのだ。

ますます牧野さんのファンになった。
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