ケ時々ハレ・2

楽しむために、「晴れ」のために「褻」を生きてます。左脚も人工股関節にしました。右人工股関節はライト、左はエルといいます。

9月29日(木) 笹塚放課後クラブ「容疑者Xの献身」

2016-09-30 14:52:06 | 演劇
中野ザ・ポケットで、演劇集団 笹塚放課後クラブの公演「容疑者Xの献身」を観た。






元ジェイのすーちゃんが出ている。

すーちゃん、よくテレビで見ているのだが会うのはすごく久しぶり。
幡ヶ谷で純さんワークショップに参加していた時以来かもしれない。
震災前だな。
すーちゃんの台本芝居を観るのも初めてだ。

東野圭吾の「容疑者Xの献身」の舞台化。

容疑者Xのみならず、ガリレオシリーズは未読である。
映画の「真夏の方程式」を見たことがあるだけ。

観る前に原作を読んでおきたかったが、時間がなくて全然読めず。
積んでいた「探偵ガリレオ」の2~3話分を読んだだけだったのだが・・・。

凄かった。
東野圭吾だなんて、あんな緻密なミステリーをあそこまでわかりやすい舞台劇にするとは。
脚本に起こしているのは、針ヶ谷修さんという役者さん。
すーちゃんによると、ここは原作のあるものしか上演しないという。
浅田次郎だったり、荻原浩だったり。

映画化されているとはいえ、東野圭吾の難易度は高いのではないかと思う。

未読でもすごくよくわかる。
小さな伏線まで、さりげなくちゃんと見せてくれている。
言葉で説明し過ぎない。

すーちゃんはナチュラルな芝居が魅力の素敵な女優さんだが、全体的にそんな感じだった。
そして、ちゃんと台詞が聞こえてくる。

原作を読まずに見始めて、知っているのは湯川のキャラぐらいだったが、最初からグイグイ惹かれたのが石神役の佐藤太さんだった。

人気作とはいえ、私のように未読の人もいるだろうから詳しくは書かないが、あまりにも石神が魅力的過ぎた。
パッと花が咲いたような魅力ではなく、もっとこの人を見ていたい、もっとこの人の話すのを聞いていたい、そんな風に思う。

途中で、
「えっ、この人がそんなことを? そんな、まさか、そんな人だとは思わなかった」
というシーンがあったが、それも後に必要になってくる小道具とエピソードの周到な準備だったのだとわかる。

女性の方が、くだらん隠し事さえしなければなぁ、とちょっと思う。
最後は守ろうとした相手が耐え切れずに、牙城に穴があいて崩れた。

こんなに感情移入できる芝居は珍しい。
しかも感情移入の相手は、自分とは共通点のないおじさんなのだ。
(『手をすり抜けて』を歌うドナに感情移入するのとはわけが違う)

石神の慟哭に激しく胸を打たれた。
あの慟哭を観ただけでも、この芝居、観に来てよかったと思う。

すーちゃんはいつも、確実な人というイメージのある役者さんだが、その彼女のいる集団も、やはり確実なのだった。

帰宅後、ホンスキー倶楽部のみんなが言うには、原作でもやはり石神は超魅力的なんだって!

笹塚放課後クラブ、今更ながら注目して行きます。
読まなきゃ、原作。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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うん、読まなきゃ原作❢ (ちか)
2016-09-30 23:02:55
私、東野圭吾は大好きで、文庫になっているのは全部読んでる。古い作品も含め、みな緻密で良いよ。
返信する
ちか (KEN)
2016-10-01 04:05:10
本当に緻密だよね。
好きなものと、そうでとないものがあるけど、これは読んだら好きになると思う。
返信する

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