-"CLOSE ENCOUNTERS" 35th Anniversary #20-
皆さんおはこんばんちわ!
asayanことasami hiroakiでっす!(・ω・)ノ
見ましたか? 金環食。
僕は見ましたよ?
……仕事中に。(^ ^;)
今回は日本全国の広い範囲、ってゆーか、太平洋周辺の広範囲で観測出来ましたが、僕の在住地域では午前7時31分頃がピークでした。
まあ、金環食自体は実はほぼ毎年のように世界のどこかで観測出来るんですが、日本国内で観測出来る次回の金環食は18年後、2030年に北海道限定で。
今回を逃しちゃった方は、18年後に北海道へ行きましょう。
それとは関係ありませんが、5月もそろそろ終わりですね。
先日、ローソンで衣替えがあって夏服に切り替わったんですが、夏服になるとそろそろ夏が近いなぁ~と思えてきます。 実際、昼間は汗ばむ陽気の日が増えましたしね。
しかし、朝晩にはまだまだ春の冷え込みが残っており、季節の変わり目らしい気温差の激しい日が続いています。 風邪などにはくれぐれもお気をつけ下さい。
……つかね、僕は引いちゃいましたよ、風邪。
な~~んか鼻の奥の方に違和感があるなぁ~~? と思っていたら、喉の方にまで降りてきてしまって、風邪を引いた事を悟りました。
幸い、症状は違和感を感じる程度の軽いモノだったので事無き得ましたが、結構長引きました。
……今も。
皆さんも、風邪には気を付けて下さいね? くれぐれも。
<今週の特集>
今週の特集コーナーは、映画『未知との遭遇』徹底解説シリーズ、第20回。 いよいよ今回が、最・終・回ッ!!
う~~ん、結局半年かかっちゃったなぁ~~。 予定では、もっと短いハズだったのに。
それはともかく、今回がラストです。 最後までお付き合い下さいませませ。
終章
・その後のスピルバーグ
1990年代以降のスピルバーグは、まさに“受賞ラッシュ”と言って良いほど方々から様々な賞を送られる日々が続いた。
1989年に『インディー・ジョーンズ‐最後の聖戦』を監督後、90年は製作や製作総指揮に徹したが、91年に満を持して監督した『フック』が興行的に失敗に終わり、『インディー・ジョーンズ』シリーズ三部作の完結と共に一時は「スピルバーグは終わった」とまで言われるほど、評判を落とした。
1970年代から80年代にかけて、アメリカン・ニューシネマの筆頭兼中心的存在としてハリウッド映画界を牽引してきたスピルバーグは、90年代という新しい時代の到来と共に“過去の人”になる……ハズだった。
しかし1993年、スピルバーグは華々しく復活する。
映画『ジュラシック・パーク』は、長年培ってきたアナログ技術による特殊効果を使いながらも、既にジェームズ・キャメロンが『アビス』、『ターミネーター2』によってその有用性を立証していたデジタルテクノロジーによる視覚効果を併用し、新時代の到来を知らしめる鮮烈な映像で観客の度肝を抜いた。
映画は世界中で大ヒットを記録し、『E.T.』が持っていた世界歴代興行収益記録を約10年振りに、しかもスピルバーグ自身の手で破るという快挙を成し遂げるに至った。
さらに同年に公開された『シンドラーのリスト』では、これまで『1941』と『太陽の帝国』の2度に渡って描いていたにも関わらず、両方とも興行的に失敗に終わっていた第二次大戦をモティーフにした歴史劇を描きながらも、ヒューマニズムに溢れたストーリーとテーマが極めて高く評価され、上映時間3時間を超える長編ながら映画はヒットし、同年度のアカデミー賞では、“ヒットメーカー”と呼ばれながらも、それまで何度もノミネートされながら一度も受賞する事が出来なかった作品賞と監督賞でのオスカー獲得を達成。
キャリア20年目にして、スピルバーグはようやく一流監督の仲間入りを果たした。(注:ただし、実はこれが初オスカーというワケではない。 86年に、映画界に大きく貢献した映画製作者に送られる功労賞、“アービング・G・タルバーグ賞”を受賞している。 が、この賞は1930年代に現在のいわゆるハリウッド・システムを確立した映画プロデューサーにちなんだ賞であり、飽くまでもプロデューサーとしての受賞だった。 また、全米批評家協会賞やLA映画批評家協会賞、ゴールデングローブ賞では、82年に『E.T.』で監督賞や作品賞を受賞しており、イギリスオスカーでは85年に功労賞の一つである“アカデミー友愛賞”を受賞している)
このオスカー受賞を皮切りに、スピルバーグは次々に様々な賞を受賞する。
同じく93年、日本でも知名度の高いヴェネツィア国際映画祭では、名誉金獅子賞、特別功労賞、さらに経歴賞を受賞。 イギリスオスカーや全米批評家協会賞、ゴールデングローブ賞でも、『シンドラーのリスト』で監督賞や作品賞を受賞している。
1994年、既にアンブリン・エンターテイメントという自身のプロダクションを設立していたスピルバーグは、ディズニーの元製作部門責任者だったジェフリー・カッツェンバーグ、レコード会社を経営するデイヴィッド・ゲフィンと共同で、映画配給スタジオのドリームワークス・ピクチャーズ・SKG(注:SKGは、スピルバーグ、カッツェンバーグ、ゲフィンの3人のイニシャルが由来)を設立。 なんと、配給スタジオまで経営する事になった。
ハリウッドには、いわゆるハリウッド6大メジャー(注:20世紀フォックス、パラマウント、ユニバーサル、MGM、コロンビア、ワーナー。 いずれも、創設者はユダヤ系移民)のほかに、インディペンデント系と呼ばれる配給スタジオが多数あり、その中でも比較的大きなスタジオを“ミニ・メジャー”(注:ニューラインやミラマックスなど。 他にもいくつかある)と呼ぶ。
本来、ドリームワークスはインディペンデント系スタジオに分類されるのだが、スピルバーグやカッツェンバーグといったビッグネームが創立メンバーである事から、設立当初からミニ・メジャー級の扱いをされる事になる。
それはさておき、98年には、前年に公開したオスカー狙いの作品、『アミスタッド』がノミネートすらされなかったが、この年は『プライベート・ライアン』が大ヒットを記録すると共にハリウッドオスカーで二度目の監督賞を受賞。
残念ながら、作品賞とのダブル受賞にはならなかったが、ゴールデングローブ賞では『シンドラーのリスト』に続いて監督賞と作品賞をダブル受賞している。
同じく98年、ドイツのドイツ連邦共和国功労勲章を授与されたのをキッカケに、2001年には英国王室よりナイトに叙勲され、本名に“Sir”とKBE(注:ナイト・コマンダー。 勲章第二位に当たる)を名乗れるようになった。 さらに、2003年にはイタリアのナイト勲章であるイタリア共和国労勲章を賜り、2004年にはフランスの栄誉賞であるレジオン・ドヌール勲章を授与されており、実に4ヵ国のナイトになる。
2005年に公開された『ミュンヘン』は、監督賞と作品賞を含む5部門でオスカーにノミネートされたが、3度目の受賞には至らなかった。 同時に、イスラエルとパレスチナ双方を批判する内容に物議を醸し出し、また批判の対象にもなっている。
とはいえ、2007年と2008年には、ゴールデングローブ賞にて功労賞であるセシル・B・デミル賞を2年連続で受賞。(注:ただし、2007年の受賞は功労賞としての受賞) 同じく2008年には、新設されて間もないヴィジュアル・エフェクト・アワード(注:2001年設立)で生涯功労賞を受賞している。
これ以外にも、様々な映画賞で合計214のノミネート(!!)と、内126の受賞(!?)を経験し、まさに現代最高の映画監督として認められたと言えるだろう。
しかし、スピルバーグのスゴいトコロは、このような華々しい受賞歴や、プロダクションと配給スタジオの経営者という立場にありながらも、“本職は映画監督”のスタンスを今もなお、頑なに守り続けている点である。
そのスタンスは今もなお続いており、『リアル・スティール』やTVシリーズの『Terra Nova』を製作総指揮する傍ら、2011年には自身初となるフル3DCGI&3D上映となった『タンタンの冒険:ユニコーン号の秘密』と『戦火の馬』を監督。 さらに2012年には、『メン・イン・ブラック3』や『When Worlds Collide』(注:共に2012年公開予定)を製作総指揮する傍ら、予てから構想していたエイブラハム・リンカーンの生涯を描いた歴史劇、『Lincoln』を監督/公開する予定で、現在は2013年公開予定の『Robopocalypse』を準備中との事。
さらには、公開時期は未定だが『ジュラシック・パーク4』も製作準備中。(注:2011年に開催されたSFコンベンションのパネル・ディスカッションでスピルバーグ自身が公表した。 一部には、「『インディー・ジョーンズ』に続いて『ジュラシック・パーク』も!?」という批判もあるようだが、筆者はこれはアリだと考える。 『ジュラシック・パーク』のシリーズは、実はまだ完結していないから。 イスラ・ソルナ島には、未だに恐竜達が生き残っており、原作では軍によって壊滅したイスラ・ヌブラル島も、映画版ではその後どうなったが一切語られていない。 『インディー・ジョーンズ』シリーズは、『~最後の聖戦』で“三部作完結”になったのに4作目が製作されて不満に思ったが、実際には非常に良く出来た良作である。 ……まあ、ラジー賞を受賞したりもしているが……) スピルバーグ自身が監督する事は決してないだろうが、今から楽しみな作品であるのは確かだ。
現在既に60代も半ばを迎えたスピルバーグだが、彼にはこれからも、“生涯現役”で作品を制作し、筆者と多くの映画ファンを楽しませてもらいたいと思う。
・asami hiroakiとスピルバーグ
僕がスピルバーグ作品を初めて観たのは、……いつだろう?(´・ω・`)??
もうムカシ過ぎて憶えていない(笑)が、スピルバーグ作品に注目するようになったのは、今でもハッキリ憶えている。
中学生の頃、僕は毎週末になるとTVの映画番組を観るのが恒例になっていた。 当時はまだ週休二日制導入前で、金曜日の夜は早く寝ないといけなかったのだが、中学生になっていた事もあって親は11時まで起きているのを許してくれた。
そんな時にたまたまTVでOAされたのが、日本国内で初めて劇場公開されたスピルバーグ監督作品、『激突!』だった。
第1章でも述べた通り、この作品でスピルバーグは悪役の顔を画面に映さないという大胆な演出で観客をアッ!と驚かせたが、僕もその演出に驚いた。 映画を観ながら、あのタンクローリーを運転しているのはどんなヤツなんだろう? いったい何を考えて、このどこにでもいるようなごく平凡なサラリーマンを追い掛け回すのだろう?と考えていた。
映画では、何度かタンクローリーのドライバーと思しき人影が映し出されるが、足元だけだったり主人公のカン違いだったりして、なかなか顔を見せない。
きっと、ラストでその正体が明かされるのだろうと思っていたら、なんと結局最後まで顔見せ無し。 炎上するタンクローリーと共に深い谷底に落ちて、映画は終わってしまう。
これを大胆と言わずしてなんと言おう!?
この時から、僕はスピルバーグという映画監督に注目するようになった。
その直後の1993年、映画『ジュラシック・パーク』が公開され、日本でも一大ムーヴメントを巻き起こした。 恐竜ブームが巻き起こり、インスパイア作品や類似商品が多数リリースされた。
中には、『REX:恐竜物語』というまんま二番煎じな映画も公開された。(注:ただし、ムツゴロウさんこと畑正憲の原作小説とは大きく異なる内容で、ファンタジックな作品に改変された。 原作は、文庫本3巻分冊という非常に長い作品だが、実は恐竜が蘇る事なく作品は終わる。 恐竜よりも、登場人物の人間関係に重点が置かれており、しかも官能小説並みのベッドシーンが多数あるかなりエロい作品)
予てから恐竜が好きだった僕は、当然この作品にも注目した。 恐竜がモティーフで、しかも監督がスピルバーグだったからだ。
しかし、諸般の事情で映画館に行けなかったので、VHSのリリースを待つ事になったが、待ってる間にマイケル・クライトンの原作小説(注:ノベライズ版ではなく原作版!)を読んでみた。
面白かった。
学術的な説明が多いので、時々難しくて理解するのに苦労したが、ネドリーが産業スパイになって恐竜の胚を盗み出すトコロなどはドキドキしながら読んだのを今でも憶えている。
また、翻訳者の作風なのか、文章そのモノが面白かったのも記憶に残っている。 実際、当時から僕は小説家を夢見ていたが、その頃書いた作品には原作小説の文章形態の影響があった。 その影響は今でも続いていて、ふとした時にあの頃のクセが出てしまうほど。
あの小説にはかなり影響を受けた。
もちろん、科学や数学、コンピュータテクノロジーに強い興味を憶えたのも、実はこの小説がキッカケだった。 TVの教養番組を欠かさず観るようになったり、専門的な学術書を読むようになったのも、この頃である。
で、小説を読み終えてしばらくして、ようやく映画のVHSがリリースされたのだが、……買いました。 VHSを。 当時2万円。(!)
当時のソフト版は、驚くほど高かった。 特典映像も静止画集もブックレットすら無しで、本編のみなのに15000円以上するのが普通だった。
だが、既に原作にハマっていたので思わず買ってしまった。 既にフリーターになっていたので、ある程度自由に使えるお金があったのも、その理由になった。
それはともかく、VHSを買って喜び勇んで家に帰り、早速映画を観てみたワケだが、……“度肝を抜かれる”とは、まさにこの事であるのを知った。
圧倒的な映像と音楽。 そして手に汗握る展開に、2時間の間食い入るように映画に見入った。
映画『ジュラシック・パーク』は、今でもスピルバーグ作品の中で1、2を争う好きな作品である。
それと同時に、これを監督したスピルバーグという映画監督も好きになった。 彼の作品を観ようと、レンタルビデオ屋に行ってはスピルバーグ作品を借り漁る事になった。
映画『E.T.』や『インディー・ジョーンズ』シリーズ、『シンドラーのリスト』など、彼の作品はほとんど鑑賞した。
そして、そのどれもが面白かった。
そうして出会ったのが、本書の主題である映画『未知との遭遇』である。
その頃観たのは、確か特別編だったと記憶している。 劇場公開版もソフト化されていたのでレンタルビデオ屋の棚には並んでいたハズだが、観た記憶はない。
もちろん、素晴らしい映像と音楽で面白い作品ではあったのだが、たぶん理解は出来ていなかったと思う。 実際、何度も観たような記憶もない。
この映画を理解するには、当時の僕はあまりにも若過ぎたのだと思う。
時は流れて2010年初頭、前著『異説「ブレードランナー」論』のリサーチ中、映画『ブレードランナー』の原典となった『メトロポリス』(27年)を生まれて初めて、最初から最後までキッチリと観たのだが、その鮮烈な映像とヒューマニズムに溢れた素晴らしいテーマに感動した。
そして、『ブレードランナー』の次に取り上げる作品を『メトロポリス』にしようと決めた。
……が、思い止まった。
「ちょっとマテよオレ?」
と、立ち止まって考えた。
確かに感動したし面白い作品だが、そんなに焦って書いて上手くいくだろうか?
そうやって焦って書いた結果、散々な内容になった作品が今までにもあったじゃないか。
よく考えろasayan? お前はこの映画を、今この時ようやく、“生まれて初めて観た”ばかりじゃないか。 それで本を一冊書こうなんてのは、ちょいとムリがありやしないかい? 一冊の本にまとめるには、あまりにもこの映画を知らなさ過ぎるんじゃないか?
そう思い、『異説「ブレードランナー」論』の執筆中に平行してちょっとだけリサーチしてみたら、まーこれが書かなきゃいけない事が出てくる出てくる。(笑)
日本語の資料は極めて少なかったが、英語やドイツ語の資料は山ほどある。
もちろん、僕は英語も、ましてやドイツ語なんてもってのほかなほど出来ないので、このリサーチにはとにかく時間がかかると判断するより他なかった。
「これはムリだ。 止めよう。 少なくとも、リサーチに必要な時間を取るための“時間稼ぎ”が必要だ。」
そう判断して、前著『異説「ブレードランナー」論』と『メトロポリス』の間を埋める“つなぎ”が必要だという結論に至った。
問題は、取り上げる作品だった。
取り上げたい作品は他にもいくつもあったが、さして取り上げる必要性のない作品であったり、取り上げるにはやはりリサーチ不足な状態である事を認めざるを得ない作品であったりして、やりたくてもやれなかった。
そこで、予てから考えていたアイディアをココで使ってしまおうと。
そう、スピルバーグの事を書こうと考えたのだ。
スピルバーグに関しては、以前にもブログ記事として『宇宙戦争』を取り上げた時に少し書いたのだが、その時は中途ハンパにやりたくなかったので、“いずれ詳しく!”で済ませていた。 なので、これを機にスピルバーグの事を徹底的に書いてみようと。
そして再び、先ほどと同じ問題が持ち上がる。
どの作品を取り上げるか?
難問だった。
スピルバーグはスキな映画監督で、映画『宇宙戦争』鑑賞以降は、“最も尊敬する5人の映画監督”の筆頭になり、現在もそのランキングは変わっていない。 胸を張って、僕は「スピルバーグ大好き!」と言える。
しかし、スキな映画監督だけに、作品はもどれもスキなので、どの作品を主題として書くかかなり迷った。
そこで、もう一つ予てからやりたかった企画と抱き合わせる事にした。
それが、“公開年が1977年の映画作品”という企画である。
この年には、個人的に大きな意味があるからだ。
最初は、『スターウォーズ』を取り上げようと考えていた。 77年公開の映画作品の中でも、やはり『スターウォーズ』は飛び抜けた存在である。 “公開年が1977年の映画作品”という企画にはピッタリの作品だ。
しかし、映画『スターウォーズ』は旧三部作と新三部作を合わせて全部で6本もある非常に壮大なシリーズ作品で、1冊の本にまとめるにはあまりにも書かなければならない事が多過ぎる。
加えて、『スターウォーズ』は非常に人気の高い作品で、公開35周年を迎える今年2012年にはアニバーサリーイヤーを記念して3D版が劇場公開されたほど、その人気は現在でも衰える事を知らない。
それだけ人気の高い作品なので、当然の事ながらこの映画に関する書籍は数限りなく出版されており、今さら僕が改めてこの作品について書くまでもないだろうと思った。
なので、『スターウォーズ』を取り上げるのは思い止まり、他に77年公開の映画は何かないかと探してみたら、……あった!
それが、本書の主題である『未知との遭遇』である。
これなら、“公開年が1977年の映画作品”という企画にも、“スピルバーグ作品”という企画にもピッタリハマる。
「これだ!」
こうして、アルティメット・アナライズシリーズの第2弾として、本書では映画『未知との遭遇』を取り上げる事になった。
そもそも、2007年に本作の30周年記念盤がリリースされる事を知って、喜び勇んで購入し、この作品のテーマや意味を改めて理解していたし、調べてみたらこの作品については書籍などで取り上げられている事が少なく、あまり語られていないので僕が書いてもいいんじゃないかと。
大スキなスピルバーグ作品で、これまであまり語られておらず、しかも公開年が1977年というのも何かの縁だ。 これを機に、この映画について考察してみるのも良いのではないか?
そう考えて、僕はアルティメット・アナライズシリーズ第2弾として、本作を取り上げる事にした。
何故なら1977年は、僕が生まれた年だからだ。
誕生日こそ離れている(注:『スターウォーズ』の方が近い)が、僕が生まれた年にこのような素晴らしい作品が公開されていたという事実に、何かしらの縁を感じずにはいられない。
たとえ生まれた年が同じであっても、僕が映画に興味を、それも、このような本を書いてしまうぐらいの熱狂的な映画ヲタクになっていたという偶然が重なったのも、ある種の運命的なモノがあったように思う。
だから書いた。
この映画の素晴らしさを、もっと多くの人に知ってほしかった。
大スキなスピルバーグに、しっかりと敬意を示したかった。
元を正せば、ただそれだけの事なのだ。
スピルバーグが好きと言うと、映画マニアや評論家のような人たちにはハナで笑われる。 中には、「ふん、ビギナーが!」と言う人も多い。
が、僕に言わせれば、それこそ「ふん、ビギナーが!」である。
何故なら、僕はスピルバーグが好きだが、それは飽くまでも“1周周って帰ってきた”からだ。
映画を手当たり次第観まくっていた1990年代は、僕も映画マニアを気取ってマイナーな映画や崇高な芸術映画が好きだった。 スピルバーグ作品も好きだったが、ランクで言えば2位か3位といったトコロだった。
しかし、レンタルビデオとCS放送で合計600本もの映画を観ている内に、それがある意味間違いである事に気付いた。 大衆にはあまり理解されない、芸術性が高過ぎて観る側の要求スペックの高い作品を「一番スキな作品」と言うのが、ただの自己満足に過ぎない事を理解した。
そうした作品を理解するのは、確かに要求スペックの高さから自らが“映画を理解している”という充足感を得られるが、それは飽くまでも自己満足で、映画を理解しているのとは異なる。
何故なら映画とは、映画芸術であると“同時に”大衆娯楽だからだ。
一人でも多くの人に理解してもらい、そして作品を愛してくれるファンが多い事こそが、大衆娯楽としての映画の価値である。
難しい作品、芸術的で美しい作品を愛でるのも良い。 それはそれで悪い事ではない。
しかし、映画という芸術の本質が、娯楽である事を忘れてはいけない。 アタマを悩まさせるだけの難解な映画だけが上等な作品だと思ってはいけない。 大衆を楽しませ、より多くの人の共感を呼ぶ映画こそが、大衆娯楽としての映画なのである。
スピルバーグ作品は、確かに娯楽性重視で映画マニアのヲタク心をくすぐるような作品は少ないかもしれない。 軽くて気軽に楽しめるような作品ばかりかもしれない。
しかし、ならばこれだけスピルバーグが稼いでいるのは何故なのだろう?
彼の作品を、こんなにも多くの人々が観ているのは何故なのだろう?
それは、彼の作品がより多くの人が“面白い”と感じる作品だからだ。
面白い作品を大量に、しかし決して妥協する事なく撮り上げるその手腕こそが、“スピルバーグという才能”だからだ。
だから、僕はスピルバーグが好きなのだ。
映画『ジュラシック・パーク』でそれを理解し、しかし映画マニアを気取って難しい難解な作品ばかり観ていた頃を過ぎ、映画『宇宙戦争』を観て改めてその手腕のスゴさを観たからこそ、僕はスピルバーグ作品に“1周周って帰ってきた”のである。
映画評論家として活躍した故淀川長治は、「一番スキな俳優は?」という質問に、「チャーリー・チャップリン!」と即答したと言う。
彼もまた、“1周周って帰ってきた”のだと思う。
だから僕は、声を大にして言う。
僕はスピルバーグが好きだ。
スピルバーグは、僕が“最も尊敬する映画監督”の筆頭だ。
僕は、胸を張ってそう言い切る。
そして、本書がその敬意の現れになっている事を願う。
‐Data‐
未知との遭遇(原題:Close Encounters of the Third Kind)
配給:コロンビア・ピクチャーズ
出演:リチャード・ドレイファス
テリー・ガー
メリンダ・ディロン
ケリー・ガフィー
ボブ・バラバン
フランソワ・トリュフォー他
脚本:スティーヴン・スピルバーグ
テクニカル・アドバイザー:J・アラン・ハイネック博士
コンセプチュアル・アーティスト:ジョージ・ジャンセン
ラルフ・マッカリー(マザーシップ担当)
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
美術:ジョー・アルヴス
特殊効果監修:ダグラス・トランブル
リチャード・ユーリシッチ
デニス・ミューレン(マザーシップ担当)
スティーヴン・スピルバーグ(総監修)
特殊効果:ロイ・アーボガスト(ライブアクション効果)
ロバート・スウォース(アニメーション)
グレゴリー・ジーン(ミニチュア制作)
ラリー・アルブライト(ネオン管制作)
マシュー・ユーリシッチ(マットペインティング)
スコット・スクワイヤーズ(クラウドタンク)
カルロ・ランバルディ(宇宙人ドール制作)
音楽:ジョン・ウィリアムズ
編集:マイケル・カーン
製作:マイケル・フィリップス
ジュリア・フィリップス
監督:スティーヴン・スピルバーグ
公開年月:1977年11月(日本では78年2月)
総製作費:2000万ドル
興行収益:約3億380万ドル
といったトコロで、今週はココまで。
楽しんで頂けましたか?
ご意見ご感想、ご質問等があればコメにどうぞ。
思ったよりも時間がかかってしまいましたが、『Wactch the Skies』は今回をもちまして、連載終了とさせて頂きます。 長い間お付き合い頂き、誠にありがとうございました。
この連載記事をまとめて読めるPDF版は、MFD-WEBにて、来月6月25日の更新でアップする予定でただ今校正中です。 お楽しみに!
また来週からは、早くも“新連載”がスタートします!(`・ω・´)/
早ッ!!Σ(゜Д゜;)
いやね? 早く始めないとね? 年内に終わりそうにないんだよ、今度のネタは。 6月と7月には、当ブログの記念日ネタもやらなきゃだし。
『ブレードランナー』ほどではないと思いますが、確実に『未知との遭遇』よりも長いです。 まだ原稿書き上がってないし。
いずれにしても、来週もお楽しみに!
ちなみに、今度のネタはもちろん“アレ”なのですよ?(←どれ?)
それでは皆さんまた来週。
お相手は、asayanことasami hiroakiでした。
SeeYa!(・ω・)ノシ
LunaちゃんのMODコレ!(代理:Alice)
白騎士物語。
※- Mania Episode1
お隣の国、韓国在住のクリエーターによる装備追加MOD。
既存のダンジョン、及び新規のダンジョンに配置されるNPCの形で大量の装備が追加されるが、クエストMODの体裁を取っていないので、ダンジョンを探すトコロから始めなくてはならないのが難点。 いわゆる“萌え系装備”が多いのが特徴。
Hentaiさんお得意のエロ騎士装備。 肩のアーマーが大き過ぎて、どうしても顔が隠れてしまう。(笑) 個人的には、ヒジの辺りのディテールが良く出来ていると思う。
Thanks for youre reading,
See you next week!
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