評価
再読(20019年1月1日)。
東京平河町にあるホテルで孝史は火災にみまわれ、同宿の時間旅行者・平田と昭和11年2月26日の蒲生邸へタイムトリップする。二・二六事件を背景に陸軍大将・蒲生憲之を取り巻く謎を解き明かし、歴史のうねりへの人としての向き合い方を問うSF大作、日本SF大賞受賞。
時間旅行者、タイムトリップというSF手法を使っての二・二六事件前後から太平洋戦争へと向かう日本と時代の流れに身を委ねるしかない人々の姿を描いた力作!サスペンス要素もふんだんに散りばめられ、主人公・孝史と蒲生邸の女中・ふきとの60年ぶりの触れ合いにはホロっとさせられる。「ゴー・ストップ事件」「相沢事件」「竹槍事件」など時代を象徴する出来事が登場、物語に深みを加えている。とにかく面白い!