評価
再読(前回2017年2月19日)。
「サヨコ」は毎年後輩に引き継がれ、3年に1度だけ学園祭での演劇上演が許されている。誰が「サヨコ」かは誰も知らない。そんな高校へ非業の死をとげた2代目サヨコと同姓同名の津村沙世子が転校して来たことからドラマが始まる。恩田陸のデビュー作である青春ファンタジーノベル。
「サヨコ」の謎と、謎を探る関根秋、受験を前にした高校生の青春、全校生徒を巻き込んだ学園祭での「サヨコ」劇、恋に溺れた女生徒の短絡的な放火等々読んでいて飽きない。自由自在に周囲を翻弄する美少女・津村沙世子は私に言わせれば「いけすかない少女」(笑)。
「サヨコ」伝説の黒幕は担任の黒川だろうが、沙世子に転校を促す手紙を送ったあたりの顛末がど~もしっくり来ないし、他に少しモヤ~とするところがないでもない(野犬の登場場面)が、そごはそれファンタジーなのだから大目に見よう(笑)!いずれ面白いことは確かなのだから。